2015 Fiscal Year Annual Research Report
褐藻類における機能性オリゴ糖の生産に向けた有用酵素の機能解析及び改変
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14J04026
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
熊谷 祐也 北海道大学, 農学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 糖質加水分解酵素 / ラミナリオリゴ糖 / 糖質結合モジュール / ウロン酸多糖 |
Outline of Annual Research Achievements |
β-(1,3)-グルカンは免疫賦活化能や抗腫瘍性作用など様々な生理活性を持つ糖質である。その生理活性は、糖鎖長の違い、β-(1,6)-結合、およびそれらによる構造の違いが関与していると考えられているが、糖質構造と生理活性の発現メカニズムの関連性は不明な点が残る。その解明には構造が明らかなオリゴ糖を酵素的に作製してその機能性を明らかにすることが自然免疫発現の仕組みを知るのに有効な手段と考えられた。 オリゴ糖作製用に用いた水産軟体動物の酵素は相同性検索やモチーフ検索では機能が判定できなかった機能未知の領域があり、これが生成物の特異性に影響を与えているかどうか評価した。本領域(AkCBM)の機能性を糖質結合能と推測し、異種発現系にてAkCBMのみを生産し機能解析する計画を立案した。AkCBMは大腸菌発現系により作製が可能であり、予備実験では不溶性のβ-(1,3)-グルカンに結合せず、不溶性のアガーやキシランといった海藻に含まれる糖質に対して結合することが分かった。しかしアガーやキシランに対する結合力は一般的なCBMの結合力と比較して弱く、AkCBMは他の糖質に結合する可能性(真の結合糖質の存在)が考えられた。そこで可溶性糖質に対する結合能をアフィニティーゲル分析によって検討した。その結果AkCBMはウロン酸を持つ多糖に強く結合することから「ウロン酸結合型CBM」であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
機能未知のCBM様ドメインの機能解析を行った結果、報告例の少ない酸性多糖に強く結合する「酸性多糖結合型CBM」であることを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に変更はなく、本CBMの生理的役割について明らかにすること、そして新たな酵素を用いて構造の異なるオリゴ糖の作製を行う。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] The loop structure of Actinomycete glycoside hydrolase family 5 mannanases governs substrate recognition2015
Author(s)
Kumagai, Y., Yamashita, K., Tagami, T., Uraji, M., Wan, K., Okuyama, M., Yao, M., Kimura, A., and Hatanaka, T.
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Journal Title
FEBS Journal
Volume: 282
Pages: 4001-4014
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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