2014 Fiscal Year Annual Research Report
能動絞りを用いた画像符号化による新しいカメラ撮像の提案
Project/Area Number |
14J05055
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
園田 聡葵 九州大学, システム情報科学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | カメラ / 画像処理 / 動画復元 / ハイダイナミックレンジ撮像 / イメージセンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は『ピクセルコーディングカメラを用いたシーンの動きに適応的な動画像サンプリング』についての研究を行った. 本トピックのモチベーション:通常のカメラが持つ普遍的な問題として,2つのトレードオフがある.ひとつは空間解像度と時間解像度のトレードオフ,もうひとつは時間解像度と輝度解像度のトレードオフで,輝度差の大きいシーンを撮像するには,同じシーンを露光を変えつつ複数回撮影し,後から合成する他なかった.この問題に対し,本研究ではイメージセンサが本来持つ能力・ハードウェア的な資源を撮像シーンに対して適応的に割り与え,空間的にも時間的にも輝度的にも高解像度なシーン撮像を実現することを目的とした. 提案手法:ピクセルコーディング露光を用いた適応的な時間・空間・輝度サンプリング手法を提案した.動画を撮像する際,シーンをリアルタイムに解析し,フレームごとにシーンに適した露光パターンを用いた.具体的には,シーンを動的な領域と静止領域に分割し,動的な領域の撮像にはランダムピクセル露光を用いた.これによりシーンの動きの情報が撮影画像に記録される.ウェブから集めた適当な動画群から学習した,動きの“見え”の事前知識を用いて符号化画像から動画を復元することにより高空間・時間解像度を実現した.また,静止領域にはピクセルごとに露光量の異なる撮像を行い,ワンショットで複数回露光分の情報を取得しハイダイナミックレンジ画像を得た.本研究の寄与は以下の点である. 1.フィードバックループにより,シーンの内容に適応的にピクセルコーディング露光パターンを変化させている新規性.(同様の目的に取り組んだ従来の研究は全てサンプリングパターンは予め決められたものであった) 2.高空間・時間・輝度解像度のシーン撮像を実現. 提案手法の実現性と有用性を,シミュレーション実験と試作機を用いた実実験を通して確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究結果は複数回国際会議に投稿されたが,最終的な復元結果の画質がよくないことなどから採録には至っていない.研究内容には進展があったが,業績としての成果が出ていないため.
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Strategy for Future Research Activity |
直近の予定としては,上記に示した提案手法のまま,実装上の問題の解決(試作ハードウェアのキャリブレーション・調整・工夫)によって良質な復元動画を作成し,国際会議・論文誌への採録を目指す.その後,同様の目的に異なるアプローチで取り組む.即ち, 通常の撮像では困難であった,ハイダイナミックレンジ撮像と動き復元撮像の2機能を両立する新しいシーンサンプリング方式を研究する.これにより新規性を見込みつつ,かつ初年度に取り組んだ研究に用いたノウハウ・ハードウェアを直接活かすことができる.
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Research Products
(2 results)