2014 Fiscal Year Annual Research Report
光分解型3次元培養基材を用いたテーラーメード抗がん剤感受性検査法の開発
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14J07186
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
田村 磨聖 独立行政法人産業技術総合研究所, 創薬基盤研究部門, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 光分解性ゲル / 3次元細胞培養 / 細胞分離 / 感受性試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究では,細胞を内包する材料として要となる光分解型3次元培養基材(光分解型ゲル)の改良を行った。光分解型ゲルは,ゼラチンが有するアミノ基を光開裂型架橋剤により架橋させることで作製した。光開裂型架橋剤にはN-ヒドロキシスクシンイミドを末端に有し,ニトロベンジルを光開裂部位として含む4本鎖ポリエチレングリコールを用いた。ゼラチン中アミノ基全てを架橋したゲルを100%架橋として,0-100%架橋させた条件のゲルを作製し,光分解性と細胞生存率を主とする検討を行った。光分解性に関しては、細胞を単離するのに十分な光分解の解像度(20umの円形状)を有することを確認した。ゲル内包時の細胞毒性は光開裂型架橋剤の添加量に依存して増加していた。これは末端に導入した活性エステルが細胞膜のアミノ基と反応することで毒性が生じたと考えられる。そこで、クリック反応をベースとしたゲルの作製材料の開発を行い,さらなる毒性の減少を目指すと同時に、アミノ基を有する成長因子などを混合させることが可能なゲルの作製を試みる。 また,本計画中では悪性度に応じた細胞の分類を目的としている。そのモデル細胞として,正常胃粘膜由来細胞RGMとRGM由来がん様変異細胞株RGKを用いる。前段階の実験として,共培養を行った時の抗がん治療に対する感受性の評価法を検討した。このとき、共培養緑色蛍光発現RGM(RGM-GFP)および赤色蛍光発現RGK(RGK-KO)を用いて、共培養においても各々の細胞を判別出来る状態で実験を行った。抗癌剤の曝露、放射線治療を共培養細胞に施し、その後の細胞増殖(細胞の回復)を測定することで、治療による細胞死が最終的に正常細胞とがん細胞のどちらを優位に生かすか推定できた。ゲル中では、治療後増殖するがん細胞を摘出することで、再発の中心となるがん細胞が得られると示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光分解性ゲルの組成検討に際して、光架橋剤の修正が必要となり予定より多くの時間を要している。しかし、本年度中にクリック反応によるゲルの作製の検討を進められており、その組成に関しておおよその目処が立っている。そのため、おおむね順調に進展していると評価をした。
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Strategy for Future Research Activity |
クリック反応によるゲル作製条件の検討を進め、成長因子の添加が細胞の増殖および形態変化に及ぼす影響に関して検討を行なう。その後、腫瘍由来細胞のゲル内増殖挙動および標的細胞の分離を予定通り実施する。
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[Journal Article] A mitochondrial superoxide theory for oxidative stress diseases and aging2015
Author(s)
Hiroko P. Indo, Hsiu-chuan Yen, Ikuo Nakanishi, Ken-ichiro Matsumoto, Masato Tamura, Yumiko Nagano, Hirofumi Matsui, Oleg Gusev, Richard Cornette, Takashi Okuda, Yukiko Minamiyama, Hiroshi Ichikawa, Shigeaki Suenaga, Misato Oki, Tsuyoshi Sato, Toshihiko Ozawa, Daret K. St. Clair, Hideyuki J. Majima
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Journal Title
Journal of clinical biochemistry and nutrition
Volume: 56
Pages: 1-7
DOI
Peer Reviewed
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