2016 Fiscal Year Annual Research Report
環境調和型ヒドロキシアミノ化反応の開発とcaprazamycin類の全合成
Project/Area Number |
14J08019
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 斐有 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | CPZEN-45 / caprazamycin / 多剤耐性結核菌 / 超多剤耐性結核菌 / XDR-TB |
Outline of Annual Research Achievements |
CPZEN-45は、caprazamycin B より半合成的に誘導化された核酸系抗菌薬の一種である。本化合物は10 剤耐性の超多剤耐性結核菌 (XDR-TB)に対しても有効であるため注目されている。一方、我々が本研究に参画した時点で、完全化学合成による供給は報告されていなかった。平成28年度は、(1) CuI触媒を利用した、ジアゼパノン部位の構築について反応条件の最適化及び、(2) 合成終盤での脱保護条件を検討した。以下その詳細を報告する。 (1) において、溶媒・リガンドの最適化を実施した。その結果、トルエン等の非極性溶媒中では、環化反応は全く進行しなかった。これは、CuI触媒や無機塩基の溶媒への溶解性が低いためであると考察した。詳細な検討の結果、エチレングリコールをリガンドとして、反応溶媒にエタノールを用いることで、良好な収率で目的のジアゼパノン部位の構築に成功した。 (2) において、合成したCPZEN-45保護体における脱保護の検討を試みた。Caprazamycin類やCPZEN-45において、不安定構造を損なうことなく保護基を除去することは本研究の重要課題である。通常、本核酸系化合物群はエピメリ化やβ脱離を懸念し、加水素分解により中性条件下で脱保護することが可能な保護基を選択する。しかしながら、CPZEN-45においてはウリジン由来のオレフィンに加え、7員環エナミド部位にもオレフィンを有することから、接触還元条件は不向きである。種々検討を重ねた結果、合成の終盤においてBOM基を三塩化ホウ素で処理することで、良好な収率で目的の脱保護体が得られた。また、アミノリボース部位のアジド基はStaudinger反応により還元し、二つのTBS基及びペンチリデンアセタールにおいては、フッ化水素酸で処理することで、CPZEN-45の世界初の完全化学合成を達成した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] CPZEN-45の全合成2016
Author(s)
〇塚野千尋、中村斐有、吉田拓馬、竹本佳司
Organizer
第110回有機合成シンポジウム
Place of Presentation
早稲田大学国際会議場、東京都
Year and Date
2016-11-10 – 2016-11-11
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