2014 Fiscal Year Annual Research Report
社会学的時間論の展開-A.シュッツ学説を基礎として-
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14J08311
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鳥越 信吾 慶應義塾大学, 社会学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 時間の社会学 / 理論社会学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度には、1本の論文を発表し、3回の学会報告を行った。ここではそのうち、本研究に関連する論文1本と、2回の報告について言及する。 論文「時間の社会学の展開:”近代的時間観”をめぐって」(『人間と社会の探求』、慶應義塾大学大学院、第79号、採録決定済)では、欧米圏での時間の社会学のこれまでの研究を幅広く読み込み、学説史的に整理することを通して、これまでの時間の社会学の到達点を明らかにする作業を試みた。 また平成26年7月に横浜で開催された世界社会学会での報告“Critique of Time in Modernity by Yusuke Maki” (XVIII ISA World Congress of Sociology, at Yokohama, July 18.)および、同年10月のアメリカでの国際会議における報告 “The Significance and limitation of Comparative Sociology of Time by Yusuke Maki”( Society for Phenomenology and the Human Sciences 2014 Annual Conference, at Intercontinental Hotel New Orleans, October 24)は、時間の社会学における日本の社会学者真木悠介の位置づけを確定することを試みるものであり、上述の論文と同様の研究関心に、違った角度からアプローチしたものであった。 これらの成果は、これまで時間について論じてきた様ざまな研究を概括し、それらの布置連関を明示することで、時間論のプレゼンスが高まっている今日の社会学探究がそのうえに立っている基礎を明らかにしたという意義をもつ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は1本の論文を発表し、3度の学会報告を行うことができた。また、平成26年度には、平成27年度の成果発表に向けた下準備(アルフレッド・シュッツの原テキストの読み込み、外国語文献の収集・読み込み)が想定以上に進展した。シュッツの原テキストの読み込みに時間をかけたため、平成27年度に行なう予定であった社会学的時間論の検討作業を前倒しで行い、今年度はそれについての業績を発表したが、研究は順調に進展している。 以上を総合的にみて、研究は順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本研究の基礎であるアルフレッド・シュッツの時間論の検討へと再び立ち戻り、平成26年度中に明らかにした時間の社会学についての研究成果のなかに、シュッツの時間論を位置づけることを試みる。そしてここまでのところで博士論文を執筆し、今年度中に博士の学位を取得する予定である。
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Research Products
(4 results)