2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J10688
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大前 まどか 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 臓器連関 / 肝臓 / 血管 / ゼブラフィッシュ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、臓器間をつなぐ血管の形成機構および生理学的機能を明らかにすることで、臓器の発生や成長過程における「臓器間の血管ネットワーク」を解明することを目指している。臓器間の血管ネットワークを明らかにするためには、血管を構成している血管内皮細胞のダイナミックな動きをライブで捉えることが重要である。そこで本研究では、生体外で発生が進み、かつ、ヒトと同等の機能を担う臓器と血管構造を持ったゼブラフィッシュを研究対象に選んでいる。申請者はこれまでに、臓器間をつなぐ血管の形成機構の一例として、肝臓と膵臓の間をつなぐ血管が、いつ、どの様にして形成されるのかを明らかにしている。さらに、肝臓が血管を介して他の臓器とつながることの生理学的意義を明らかにするため、肝臓の形成不全を人為的に誘導できる手法を確立してきた。本年度は、確立した手法を用いて、肝臓の形成不全が他の臓器に与える影響とそのメカニズムを解明することを目指し、以下の3つの実験に取り組んだ。 実験1: 肝臓の形成不全により、他の臓器で発現量が変化する遺伝子の同定 肝臓の形成不全が他の臓器に及ぼす影響を検討するため、肝臓の形成不全ゼブラフィッシュを作製し、野生型と比較することで表現系の変化の有無を明らかにした。また、RNA配列解析を用いてどの遺伝子の発現量に変化があるのかを同定した。 実験2: 肝臓特異的に発現している遺伝子の同定 実験1で同定した遺伝子の発現量の変化が、肝臓のどの遺伝子に依存的かどうかを検証するため、肝臓特異的に発現している遺伝子をIn situ hybridization法により同定した。 実験3: 肝臓特異的に発現している遺伝子欠損ゼブラフィッシュの作製 実験1で変化した遺伝子が、実験2で同定した遺伝子依存的におこるかどうかを検証するため、CRISPR-Cas9法を用いて遺伝子欠損ゼブラフィッシュを作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
注目する遺伝子が決まった。 また、注目している遺伝子のノックアウトゼブラフィッシュが順調に育ってきているため、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は作製した遺伝子欠損ゼブラフィッシュを用いて、注目している表現系に関与しているかどうかを検証する。また、関与していることが明らかとなった暁には、具体的なメカニズムを解明し、そのメカニズムが血管依存的かどうかを検証して行く予定である。
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