2014 Fiscal Year Annual Research Report
沖積低地における堆積土砂量・蓄積炭素量の解明と人工改変の定量的検討
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14J10722
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
羽佐田 紘大 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 沖積層 / 濃尾平野 / 多摩川低地 / ボーリング柱状図 / GIS |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度までの研究成果を発表することに力を入れるとともに、研究対象地域(濃尾平野、多摩川低地)のボーリング試・資料の収集および解析を行った。 一昨年度3月の日本地理学会2013年春季学術大会にて発表したものを基にして、『地理学評論』に「GISを用いたボーリングデータ解析に基づく濃尾平野の3次元構造と堆積土砂量の復原」を投稿し、論説として掲載された。また、昨年度8月の国際地理学連合2013年京都国際地理学会議にて発表したものを基に、『Quaternary International』に「Carbon storage in a Holocene deltaic sequence: An example from the Kiso River delta on the Nobi Plain, central Japan」を投稿した。 濃尾平野では、3地点で機械ボーリング、11地点でハンドオーガーにより堆積物を採取し、これらの処理、記載を行った。処理、記載について、産総研地質情報研究部門の研究員に指導していただいた。沖積層表層では、平野北西部において深度2~3 m付近で有機物に富んだ層準がみられることを確認した。また、数点の年代測定用試料が得られたため、来年度の4月に放射性炭素年代測定を依頼する予定である。これらの結果を基に、内陸域における土砂堆積・炭素蓄積過程を明らかにすることを試みる。 多摩川低地では、同じく産総研の研究員に協力していただき、既存柱状図を収集し、GISを用いたデータの解析により沖積層基底面の標高分布を復元した。この結果、現多摩川右岸に谷、左岸および流路周辺に段丘が埋没すること、この谷が下末吉台地の東で北‐南方向から西‐東方向に大きく曲がることを確認した。来年度も引き続き解析を行い、沖積層の3次元構造および堆積土砂量を明らかにし、成果の発表を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、研究計画に沿っておおむね順調に研究を進めることができた。具体的には、濃尾平野において機械ボーリングおよびハンドオーガーによる堆積物採取を実施し、堆積物の解析・分析を進めた。また、産総研にて技術指導を受けるかたちで、多摩川低地の沖積層研究にも取り組み、オールコア堆積物の処理方法の習得やGISを用いた既存ボーリング柱状図の解析などを行った。これにより、濃尾平野と他地域との沖積層の3次元構造や堆積土砂量に関する比較検討が可能になる。研究成果の発表については、『地理学評論』に投稿した論文が受理・公表された。また、『Quaternary International』にも論文を投稿中である。以上のように、研究成果発表も着実に行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、濃尾平野内陸域において得られた年代測定用試料の放射性炭素年代測定を依頼して年代値を明らかにし、これと堆積物の解析・分析結果を基に、内陸域における土砂の堆積過程の解明を試みるとともに、得られた年代値を加えることで濃尾平野における堆積土砂量をより高精度に見積もる。また、多摩川低地のボーリングデータの解析を継続し、沖積層の3次元構造と堆積土砂量を復元する。さらに、これら地域の蓄積炭素量を推定し、矢作川下流低地の結果も踏まえて、3地域における堆積土砂量・蓄積炭素量の比較検討を行う。これら3地域は、日本を代表する活発なデルタの発達がみられる沖積低地(デルタタイプの沖積低地)である。したがって、デルタタイプの沖積低地における土砂堆積と炭素蓄積の一般的な特徴を提示することができる。
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Research Products
(1 results)