2004 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア出版文化の研究-学問領域として書誌・出版の研究を確立するために(調整班)-
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15021104
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Research Institution | Nishogakusha University |
Principal Investigator |
高山 節也 二松学舎大学, 東アジア学術総合研究所, 教授 (80136580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 義光 東北学院大学, 文学部, 教授 (10285653)
梶浦 晋 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (80293950)
栗林 均 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (30153381)
藤本 幸夫 富山大学, 人文学部, 教授 (70093458)
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Keywords | 漢籍 / 目録 / 書誌学 / 出版 / データベース |
Research Abstract |
調整班Gは、書目・情報を中心とした研究班である。その関係から、班全体の方向性は、古来からの伝統として極めて中国学的な目録学、あるいはその要素としての版本・書誌等を検討する分野と、書籍(漢籍)の情報化、つまり漢籍データベースの構築に関わる諸問題を検討する分野、二つの方向性を柱として持つことになる。これらの方向性は伝統的な細部にわたる職人的技能を駆使する書誌学の世界と、現代的な機械操作による知的財産の共有と利便性の追求というい、一見して対極にあるものであるといえよう。調整班Gは、その基底においてこのような一見矛盾ともいえる問題を抱えていたのである。換言すれば、「東アジア出版文化の研究」という最終目的に対して、それぞれの分野における知見の深化や、矛盾を解決するための模索・提言のなされることが、G班には求められたのである。その方向を目指して、平成15年11月東京集会・15年12月G班共催九州集会・平成16年12月大阪セミナーが開催された。東京集会においては、書目分野に関して目録分類上の未確定要素の解明と方策が提言され、情報分野において漢籍データベース構築に関わる具体的諸問題が検討された。九州集会においては、国内外における多数の日本関係資料の情報公開と調査に関する報告が行われ、大阪集会においては漢籍のデジタル化やテキスト処理・電子出版やオントロジの問題が提起され、情報分野における現状と課題、情報機器の進化とデータベースそれぞれの分野における知見の深化と広範な情報所在の確認が行われた。ただ、これらの研究会を通じて、書目分野と情報分野のそれぞれの専門性が極めて深く、両者が二朝に共同することの困難さも、改めて認識されたようでもある。しかし、かといって両者が一方の分野を拒否するのではなく、それぞれの専門性に立脚しつつ、相互に補完する体制を模索することが十分可能であることも、認識された。
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Research Products
(2 results)