2003 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス前終末内カルシウムストアによる中枢シナプス可塑性の調節機構
Project/Area Number |
15029237
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
神谷 温之 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10194979)
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Keywords | 海馬 / シナプス伝達 / カルシウム / カルシウムストア |
Research Abstract |
シナプス前部でのカルシウム動態を制御する因子のうち、細胞内カルシウムストアの役割に関しては未だ不明な点が多い。本研究では、海馬CA3野苔状線維シナプスのシナプス前部においてリアノジン受容体を介した細胞内カルシウムストアからのカルシウム放出機構がカルシウム動態の制御に関与する可能性について検討を行った。マウス海馬スライス標本において、苔状線維の走行するCA3野透明層に蛍光カルシウム指示薬rhod-2 AMを局所的に注入し、軸素標識法により苔状線維のシナプス前部に選択的に蛍光カルシウム指示薬を負荷した。このような標本において、蛍光強度を指標にシナプス前部でのカルシウム動態を計測し、同時に電気生理学的にfield EPSPを測定した。また、CA3野錐体細胞からホールセルクランプ法による電流記録も行った。リアノジン受容体からのカルシウム放出を促すカフェインを投与すると、苔状線維シナプス伝達は著明に増大した。このとき、二発刺激促通は減少し、また、苔状線維終末に由来する微小EPSCの頻度が増加したことから、カフェインの作用はシナプス前終末からの伝達物質放出の促進によると推定した。また、上述した光学的測定法を用いて、カフェイン投与による終末内カルシウムレベルの増加を確認した。以上の結果から、苔状線維終末に機能的なリアノジン受容体が存在すると考えられた。苔状線維シナプスにおけるシナプス前性の長期増強・長期抑圧の誘発にシナプス前終末内カルシウムストアが寄与する可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)