2003 Fiscal Year Annual Research Report
プロテアソームS5aサブユニットによるポリユビキチン鎖認識の立体構造学的研究
Project/Area Number |
15032248
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
杤尾 豪人 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 助手 (70336593)
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Keywords | 蛋白質分解 / ユビキチン / プロテアソーム / NMR |
Research Abstract |
プロテアソームにより認識・分解されるためのシグナルとなるポリユビキチン鎖はユビキチンのLys48とCOOH末端によるイソペプチド結合を介してポリ化する。これとは別に、機能は不明瞭であるがLys63を介するポリユビキチン化も知られている。我々は、ユビキチン化酵素群(E1、E2)を使ったin vitro酵素反応により、Lys48リンク及びLys63リンクのテトラユビキチンを調製し、NMR(化学シフト変化、交差飽和法)、ESR、X線小角散乱法によってその立体構造の違いを解析した。その結果、Lys63リンクでは、各ユビキチンユニット間に殆ど接触がなく、伸張した構造をとって、いわゆるbeads-on-a-string型になっているのに対し、Lys48リンクでは各ユビキチンユニットの疎水表面同士で接触・会合し、よりコンパクトな構造をとっていることを明らかにした。現在両者の構造の違いがターゲット蛋白質との相互作用にどのような影響を与えるかを調べている。 ユビキチンはプロテアソームにあるUIM (ubiquitin interacting motif)モチーフ以外にも、多様な相互作用ドメインがあることが知られており、それらとの相互作用を通して種々の生物学的現象が制御されている。UBA (ubiquitin associated)ドメインはその一つである。我々はDSK2のUBAドメインとユビキチンとの複合体の立体構造をNMRで決定した。これはユビキチン-UBA複合体の最初の構造決定である。複合体の立体構造と各種点変異蛋白質を用いたin vitro結合実験(表面プラズモン共鳴)から、ユビキチンがUBAと接触している面はUIMと結合する面と共通であることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Auesukaree C, Homma T, Tochio H, Shirakawa M, Kaneko Y, Harashima S.: "Intracellular phosphate serves as a signal for the regulation of the PHO pathway in Saccharomyces cerevisiae."Journal of Biological Chemistry. 279,17. 17289-17294 (2004)
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[Publications] Fujiwara K, Tenno T, Sugasawa K, Jee JG, Ohki I, Kojima C, Tochio H, Hiroaki H, Hanaoka F, Shirakawa M.: "Structure of the ubiquitin-interacting motif of S5a bound to the ubiquitin-like domain of HR23B."Journal of Biological Chemistry. 279,6. 4760-4767 (2004)