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2003 Fiscal Year Annual Research Report

極低温マトリックス単離赤外分光法による酸化チタン光触媒反応の追跡

Research Project

Project/Area Number 15033249
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

大野 啓一  広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50033858)

Keywords酸化チタン / 光触媒 / 反応中間体 / 電子 / 正孔 / 反応機構 / マトリックス単離赤外分光法 / 理論計算
Research Abstract

近年,酸化チタンTiO_2は光触媒として社会的に非常に脚光を浴びており,多くの分野で利用されている。TiO_2に紫外線(UV)を照射すると,電子と正孔が生成することで有機化合物の分解反応が起こると言われている。TiO_2の光触媒としての高機能化を図るためには詳細な反応機構を明らかにすることが不可欠である。本研究では,10Kの極低温で活性化学種を凍結できるマトリックス単離赤外分光法と理論計算を用いて酸化チタンの光触媒反応過程で生成する反応中間体を振動分光学的に同定し,反応の予測ができるようにすることを目的とする。10Kに冷却したTiO_2に酸素ガスを吹付け,UV照射すると約900cm^<-1>に高波数側に長く裾を引くバンドと1038,1293,2237cm^<-1>にシャープなバンドが観測された。文献によると,900cm^<-1>のバンドはTiO_2の伝導帯に励起された電子がバンドギャップ内の不純物準位にトラップされ,トラップ準位から伝導帯への電子遷移あるいはトラップ準位と熱平衡にある伝導体中の自由電子のバンド内遷移に帰属されている。1038cm^<-1>はO_3のバンドに,1293,2237cm^<-1>はN_2Oのバンドに帰属できる。アンーリングすると,O_3のバンドは減少しN_2Oのバンドは増加する。これは,O_3+N_2→N_2O+O_2の反応が生じていることを示すが,O_3,N_2OはTiO_2がない場合でもUV照射で生成した。900cm^<-1>のバンドは,真空中ではかなり強度が強く表面の状況によりバンドの形状や減衰時間が大きく異なることが予想され,種々のTiO_2について同様に調べれば性質を特徴づけるキーバンドとして利用できると期待される。

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Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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