2004 Fiscal Year Annual Research Report
強磁場、極低温における分子性伝導体・分子素子の光物性測定
Project/Area Number |
15073207
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田島 裕之 東京大学, 物性研究所, 助教授 (60207032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 真生 東京大学, 物性研究所, 助手 (80376649)
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Keywords | 分子性伝導体 / 生体機能物質 / 電界発光 / 光伝導 / フタロシアニン / 分子素子 / 有機伝導体 / 有機EL |
Research Abstract |
本年度の主な研究成果は以下のとおりである。 i)有機薄膜素子の作成およびその物性測定 鉄を含むいわゆるヘムたんぱく質(cytochrome c、myoglobin、hemoglobin)、heminを用いて、発光ダイオードを作成し、発光スペクトル、電流-電圧特性、発光量子効率を調べた。またこれらと比べるために、クロロフィルの発光ダイオードも作成した。これらの研究成果の一部は、現在印刷中および投稿中である。また発光スペクトル、発光量子効率の測定が低温でできるように装置を作成した。 ii)光伝導、光起電力測定システムの構築 モノクロメーターとフラッシュランプ、あるいはAO変調器とCWレーザーを組み合わせた時間分解光伝導測定システムを製作し、光電流の起源を調べている。予備的な実験として、TPP[FePc(CN)_2]_2単結晶を用いた光伝導測定を行った。この単結晶は、可視領域で、幅の広い、弱い吸収を持ったnarrow gap半導体である。測定の結果、単純に試料表面に光照射を行った場合は、熱による光電流がほとんどであることが判明した。一方、試料表面に広く電極を蒸着し、サンドイッチ型にしたときは、光キャリアによる伝導が観測されることを見出した。 iii)巨大負磁気抵抗を示すフタロシアニン塩の磁気トルク測定 磁気トルク測定により、6K、12K、25Kの3つの磁気相転移があることを見出した。さらに、磁気揺らぎは100K以上まで存在することを見出した。 上記の研究のほか、新規フタロシアニン伝導体の合成、有機伝導体の熱伝導度測定等を行った。
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Research Products
(6 results)