2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15084205
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
南方 暁 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (70125805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上石 圭一 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 助教授 (80313485)
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Keywords | 非主題化 / 紛争回避 / 共同体的規制 / 人間関係 / 法律家へのアクセス / 法的リテラシー / 法と情報 / 主観的要素 |
Research Abstract |
1.本年度は、昨年度より承継している全国調査のデータの精度を確認する作業を進めてきた。データ分析をする場合、その基になる数値などが信頼できるものかどうかについて確認をしておかなくてはならない。その作業を、村山班や濱野班と共同して行った。 2.データの内で、回答者が重要問題と考え、また、直面した事例に関して簡単なコメントが残されているので、それらのデータを問題別に整理して、問題別の件数、その内容の特色を検討した。そして、回答者の中で、新たな面接に応じても構わないとする者に対して、以後、どのようなアプローチを行い、何を聞き出すのかについての議論を行った。特に、9月には、他の班のメンバーと共に集中検討会をもち、データの整理検討を行い、直接面接する者の洗い出しを行った。 3.なお、上石は、2005年7月に行われたパリにおける法社会学会(RCSL)において、これまで収集した資料に基づいて、「Disputing Behaviour in Japan」というテーマで、共同報告をおこなった。 4.データからは、問題によっては、個人の問題として理解するよりも帰属する集団の問題として受け入れて対応する傾向も若干見られた。紛争の特質を考える場合、問題別にさらなる検討が必要であることが明らかになった。 5.面接調査に対して同意をした被面接対象者に対する面接調査を継続している。法の主題化の契機や要因についてはある程度明らかになるが、法の非主題化については、明確な要困を特定することは難しい。データや面談情報からは、当事者の主観的な要因が非主題化に影響を与えているように思われる。
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