2007 Fiscal Year Annual Research Report
幹細胞再生医療のための機能性足場とバイオリアクタの開発
Project/Area Number |
15100009
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田畑 泰彦 Kyoto University, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅澤 明弘 国立成育医療センター研究所, 生殖医療研究部, 部長 (70213486)
山岡 哲二 国立循環医療センター研究所, 生体工学部, 部長 (50243126)
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Keywords | 機能性足場 / 幹細胞 / 増殖と分化 / バイオリアクタ / 生体吸収性高分子材料 / スポンジ / 不織布 |
Research Abstract |
高い細胞親和性をもつコラーゲンからなるスポンジの力学補強法として、トリカルシウムリン酸(TCP)セラミックス粉末をスポンジに入れることを試みた。TCP補強コラーゲンスポンジ内にラット骨髄から採取した骨髄間葉系幹細胞を播種したところ、力学補強によって、スポンジ内での細胞の増殖、骨分化の程度が高まることがわかった。培養液の流動のない静置培養法に比べて、培養液を流動させる振とう培養、旋回培養、およびperfusion培養の方が、細胞の増殖、分化が増強されることがわかった。旋回培養時の回転速度が細胞の増殖、分化に影響を与えた。回転数が高すぎても低すぎても細胞がスポンジ内で均一に増殖できず、中間の回転数の場合に、スポンジ表面と中央で良好な増殖が得られ、スポンジの中で、細胞は均一な分布で増殖することがわかった。骨分化に関しても、同様の回転数依存性が認められた。PETフィルムおよび不織布を利用して、ヒト脂肪由来未分化幹細胞の増殖と分化に与える2次元と3次元基材の影響を調べた。その結果、振とう培養法において、3次元基材における細胞の増殖率が、2次元に比較して高くなることがわかった。また、いずれの基材に対しても、細胞接着活性をもつRGDSテトラペプチドの表面化学固定によって、細胞の初期接着と増殖は高まった。 基材の種類が幹細胞の増殖と分化に影響を与えることを組織学的および生化学的に評価してきた。しかしながら、これらの評価のみでは、基材による細胞応答の違いがうまく説明できず、計画期間の変更を申請し、分子生物学的な評価を追加した。その結果、基材による細胞の増殖と分化の挙動が、増殖および分化に関与する分子や遺伝子の発現の違いに対応していることがわかった。
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Research Products
(4 results)