2004 Fiscal Year Annual Research Report
怪異・妖怪文化資料を素材とした計量民俗学の構築と分析手法の開発に関する研究
Project/Area Number |
15202026
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
小松 和彦 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (90111781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常光 徹 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 助教授 (40321541)
徳田 和夫 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (70044732)
ADAM Kabat 武蔵大学, 人文学部, 教授 (30202641)
佐々木 高弘 京都学園大学, 人間文化学部, 教授 (20205850)
山田 奨治 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (20248751)
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Keywords | 怪異 / 妖怪 / 民俗学 / 計量分析 / 日本文化 |
Research Abstract |
本年度は4年計画の二年目に当たる。本年度の研究成果は以下の通りである。 1、怪異関連記事の数量的分析手法の開発については、昨年度に続いて研究分担者の山田奨治を中心に行った。現段階での具体的な成果としては、前回科研共同研究の成果として作成され、現在公開中の「怪異・妖怪伝承データベース」の収録データをもとにした基礎的分析方法の開発を昨年度から継続して進めている。昨年度、妖怪DBの分析から、キツネやタヌキのような野生動物の生態や地理的分布と、それらの動物にまつわる怪異伝承報告の分布の相関関係を示唆する分析結果が導き出された。今年度は、それらの分析結果をもとに議論を重ね、数量的分析の方法にさらなる改良を加えた。なお本研究の成果の一部は、本科研第3回および第4回研究会で発表し、その際他の研究分担者による討論が行われた。また、川崎市民ミュージアムにおける妖怪文化研究フォーラム(平成16年8月開催)においても第一部「データベースから見た日本の妖怪」というテーマを設隔け、研究発表を行った。 2、怪異関連記事の収集および分類・整理については、昨年度から引き続き各都道府県の県史を対象資料とし、怪異関連資料の収集・整理を行っている。平成17年3月の時点では、東北、関東、中国、四国の県史からの事例収集及びカード化作業がほぼ完了している。九州の県史については完了していないため、来年度に作業を行う予定である。 3、怪異・妖怪をキーワードとした日本文化の質的・量的分析・考察については、第4回研究会等で研究代表者の小松和彦が、水木しげるの妖怪画を基礎資料としてその出典の考察を行った。また、各研究分担者においてそれぞれの分担に従い現地調査・資料収集等を行った。その成果については順次発表していく予定である。 4、怪異・怪談・妖怪関係典籍、絵画・映像資料等の収集に取り組み、国際日本文化研究センターにおける所蔵を充実させた。
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Research Products
(7 results)