2004 Fiscal Year Annual Research Report
土地・住宅ストックの利活用による資産デフレからの回復システムの解明
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15203015
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
廣野 桂子 Nihon University, 大学院・グローバル・ビジネス研究科, 助教授 (60238417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 啓一 日本大学, 経済学部, 教授 (00102442)
浅見 泰司 東京大学, 空間情報科学研究センター, 教授 (10192949)
丸尾 直美 尚美学園大学, 総合政策学部, 教授 (30055107)
熊田 禎宣 千葉商科大学, 政策情報学部, 教授 (50016482)
氷鉋 揚四郎 筑波大学, 農林工学系, 教授 (90189762)
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Keywords | 土地・住宅ストックの利活用 / 資産デフレからの回復システム / 中古住宅ストック / 住宅の評価 / コンバージョン / 不動産証券化 / 資産分配政策 / 住宅 ストック管理のルール |
Research Abstract |
本年度は、第一に、初年度に続き、中古住宅ストックの実態把握のため、東京都心部におけるマンションについて、アンケート調査を行った。第二に、ヘドニック価格関数による住宅の評価を提案した。すなわち、住宅の質と品質調整済み価格指標を説明変数とする住宅価格に関する回帰式を計測し、その理論値で住宅を評価し、その際に分析誤差を取り除く手法を構築した。さらに、住宅の評価について開示すべき情報を示した。第三に、コンバージョンの前提となる住宅市場における住宅ニーズの把握に関する分析を行った。アンケートデータをもとに、居住者の属性や価値観、住宅の仕様、居住者の満足度の関係を分析した。入居して一定時期を経ると満足度に関する逆転時期が存在し、コンバージョン住宅のターゲット層になりうることとなる。第四に、資産流動化型の不動産証券化のマクロ経済に与える影響について示した。また、資産デフレ脱却のために不動産市場を活性化させるには、証券化の普及だけでなく、税制の変更や土地利用規制との組みあわせが必要なことを示した。第五に、資産をベースとした経済政策によって生じる資産保有の不平等を是正するために、401(k)やESOPのような資産分配政策が必要であることを提示した。第六に、海外事例に基づき、個人・グループ間の合意を形成するための支援、補償制度事例について解析を行った。集積度、魅力度を形成するための効果的な交通システムのあり方とその社会的経済効果計測のプロトタイプモデルの構築を検討した。第七に、住宅資本ストック管理のルールとして、公営住宅についての福祉競争を回避するために中央政府からの補助を存続させることが必要であることを明らかにした。第九に、租税思想史的観点から資産保有課税の存在を考慮した所得税制改革の議論を概観し、それに基づきわが国の資本所得税のあり方を考察した。
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Research Products
(7 results)