2006 Fiscal Year Annual Research Report
土地・住宅ストックの利活用による資産デフレからの回復システムの解明
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15203015
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
廣野 桂子 Nihon University, 大学院・グローバル・ビジネス研究科, 助教授 (60238417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
氷鉋 揚四郎 筑波大学, 農林工学系, 教授 (90189762)
丸尾 直美 尚美学園大学, 総合政策学部, 教授 (30055107)
熊田 禎宣 千葉商科大学, 政策情報学部, 教授 (50016482)
篠原 正博 中央大学, 経済学部, 教授 (10265358)
中川 雅之 日本大学, 経済学部, 教授 (70324853)
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Keywords | 土地・住宅ストックの利活用 / 資産デフレからの回復システム / 中古住宅ストック / 住宅の評価 / 資産課税 / 不動産証券化 / 福祉政策 / 環境共生型の都市再生政策 |
Research Abstract |
本研究では、第一に、中古住宅ストックの活用の現状を分析し、次に、マンションの建替え準備のための生涯運営計画書と建替え・改修判断指針および建替え費用の評価方法を提案した。さらに、建替え促進のためにリバース・モーゲージを活用することを提言した。第二に、住宅ストックを利活用するためには、住宅を適正に評価することが重要であるが、ヘドニック価格関数で住宅を評価すれば住宅が市場の均衡価格で評価されてパレート最適となることを、ミクロ経済モデルを作成して確認した。第三に、資産流動化型の不動産の証券化は不動産の有効利用を促進させ、資源配分の効率化に寄与することを経済モデルで明らかにした。さらに、証券化を不良債権処理の政策手段として適用した場合、財務指標の改善が必ずしも達成されず、不良債権処理策としての直接的な効果はないことを示した。第四に、家計がわが国の持ち家および金融資産に投資する場合の実質資本コストを定式化し、実効限界税率の推計を5年おきに行った。そして、中立性の観点から金融資産と不動産に対する課税の効果を検討した。第五に、わが国の公営住宅に関して、都道府県間で福祉競争が起こっている可能性を明らかにし、公営住宅を利活用するためには、リンダールメカニズムを模した調整補助金の交付といった一定の国の関与が必要であることを示した。第六に、都市ストックの再生の海外事例を参考にして、環境共生型の都市再生政策について、その成功要因が都心部の公共空間の形成、地域特有資源の活用、環境技術選択であることを解明した。第七に、1990年代のわが国の不況は資産型不況であり、スウェーデンで採用された資産ベースの不況対策がこれに対して有効であったことを示した。さらに、資産をベースとした福祉政策を提案し、この政策を採用する理由と背景を示し、具体例として児童信託基金を挙げた。
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Research Products
(7 results)