2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15207001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米田 好文 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10124215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 光宏 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40361563)
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Keywords | 花序形態 / 頂端分裂組織 / 茎伸長 / ERECTA遺伝子 / ERBP遺伝子 |
Research Abstract |
ERECTA遺伝子は、主に茎頂分裂組織と器官原基の全域で発現していることがわかっており、CLAVATA1, BRI1との類推から二量体を形成し何らかのリガンドにより活性化・機能することが予想される。そこでまず発現部位をもっと限定した植物での効果を検討した。 L1層特異的発現遺伝子PDF2、葉原基特異的遺伝子AS1、シュート頂特異的遺伝子CLV3、の発現調節領域にERECTA遺伝子を結合させて植物体に導入した。本年度は、null変異体であるer-105変異でPDF2融合遺伝子を持った植物が作製された。この植物は、L1層特異的なER遺伝子を持っていたが、er変異の花序形態・莢の形態につき、変異の相補をすることができなかった。これは、この領域の発現では体の表現型の回復に至らないことを示す。今後、詳細な解析と残りの融合遺伝子の寄与を解析したい。 ER遺伝子の機能を更に解析するために、発生分化関連の多数の遺伝子をRT-PCR法によりerecta変異体での発現を調べた。調べた遺伝子は、茎頂分裂組織形成関連、茎頂分裂組織維持関連、花芽分裂組織形成関連、側生器官形成関連、細胞増殖・細胞分裂関連、莢の形態形成関連、花芽分化誘導関連、の遺伝子群である。その結果、側生器官形成関与AS2、花芽分化誘導関連TFL1、花芽分化誘導関連CO、などの遺伝子が変異体で若干の発現減少を見出した。また、花芽分化誘導関連FWA遺伝子は若干の上昇を見出した。これらの新発見と今までの研究との関連を更に明らかにしていくために、もっと高感度の実験をしていきたい。 結合因子、ERBP1, ERBP2の研究も進展した。両方のノックアウト型変異体を同定できた。それぞれでは、弱いer様の表現型、あるいは表現型がない、単一変異が、二重変異体の作製により、植物個体の幼若期で発生停止することを見出した。これは、両方の遺伝子の冗長的な機能により、er表現型以外のもっと発生分化の基本的部分にも寄与していることを示していると考えている。更に、解析を行う。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Abe, M., Katsumata, H., Komeda, Y., Takahashi, T.: "Regulation of shoot epidermal cell differentiation by a pair of homeodomain proteins in Arabidopsis."Development. 130. 635-643 (2003)