Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 耕平 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (30272438)
河田 雅圭 東北大学, 大学院生命科学研究科, 教授 (90204734)
佐々木 顕 九州大学, 大学院理学研究院, 助教授 (90211937)
澤村 京一 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 講師 (90247205)
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Research Abstract |
(1)オオオサムシ亜属の生殖隔離形質のQTL解析 2003年までに行なったイワワキオサムシとマヤサンオサムシの交雑実験のデータを用い,雌雄交尾器形態の量的遺伝解析を行ない,相加的効果を持つ遺伝子座数の推定を行なった.雄の交尾片長,雌の膣盲嚢長の遺伝子座数はそれぞれ4.4,1.8個と少ないことが示唆された.こうした少数の遺伝子座における選択により,急速な交尾器進化が可能になっていると推定される(論文公表). 2005年に得られたイワワキオサムシとマヤサンオサムシの雑種個体を用い,F1同士の交配を行なって,QTLマッピングのためのF2個体を得た.この子孫について,交尾器の形態測定を行なうとともに,DNAを抽出した.連鎖地図作成のためのAFLP解析を行ない,さらに約80のマイクロサテライトマーカーについてデータを得た.これらのデータに基づいて,QTLマッピングを行なった(論文準備中). (2)ミトコンドリア・核遺伝子を用いたオオオサムシ亜属における種分化過程の解析 同所的5種について,2つの核遺伝子,1つのミトコンドリア遺伝子のハプロタイプネットワークを基に,種の系統と核遺伝子の系統の関係を明らかにした論文を公表した.ミトコンドリア遺伝子では,交雑によると考えられる種間の同一配列の共有が見られたが,核の遺伝子ネットワークでは,種間の配列の共有は稀であった.また,ミトコンドリア遺伝子の系統地理に基づく交雑の解析をヤマトオサムシについて行い(論文公表),さらに,オオオサムシ亜属の同所的種間でミトコンドリアの浸透を起こす交雑が,体長・交尾器サイズの差が小さいほど起こりやすいことを明らかにした(論文準備中).
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