2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15209071
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
栗原 英見 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40161765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉澤 かほる 東北大学, 歯学部附属病院, 講師 (00124602)
国松 和司 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (20170011)
川浪 雅光 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10133761)
新田 浩 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70237767)
高橋 潤一 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (30287180)
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Keywords | 歯周炎 / 全身疾患 / 糖尿病 / 動脈硬化 / 疫学調査 |
Research Abstract |
本研究は歯周炎と全身疾患(特に糖尿病と動脈硬化)との関係を明らかにするべく、日本で初めての大規模な臨床試験である。 本研究は地域間のばらつきを最小限に抑えるために、北海道から鹿児島まで全国13大学が共同で行う。平成15年度の研究開始にあたり、共同研究者を集め、班会議を行った。本試験のデザインならびに歯周炎および糖尿病.(動脈硬化)の検査項目について検討、確認を行い、各施設の状況を考慮して、計画を策定(研究実施計画に記載)した。それに基づき、各施設では糖尿病(動脈硬化)を有する歯周炎患者に本試験について説明し、同意を確認後、協力していただき、本研究をすすめている。 これまでの結果として、糖尿病の原因の1つであるインスリン抵抗性と歯周病との間に相関がある可能性があり、糖尿病と同じ生活習慣病である歯周病がインスリン抵抗性という共通の病態をベースに有している可能性が示唆されている。即ち、新たなターゲットとして、インスリン抵抗性の改善を目的とした治療が考えられる。また、歯周治療の影響として、抗生剤の使用が糖尿病の病態を改善する傾向を示す結果を得た。通常の歯周治療に加えて、抗生剤の使用は全身疾患(特に糖尿病において)を有する患者には有効であることが示唆され、全身状態を考慮した新たな歯周治療のエビデンスの確立に有用な結果を得ている。しかしながら、歯周炎治療が全身疾患に及ぼす影響を調べるための介入試験では1年から1年半を要するため、引き続き、本試験を継続していく予定である。
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