2004 Fiscal Year Annual Research Report
低エネルギー高密度中性粒子ビームによるナノ加工と新機能物質創製
Project/Area Number |
15360016
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寒川 誠二 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30323108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽根 一博 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50164893)
小野 崇人 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90282095)
熊谷 慎也 松下電器産業株式会社, 先端技術研究所, 研究員 (70333888)
近藤 道雄 独立行政法人産業技術総合研究所, 薄膜シリコン系太陽電池研究開発ラボ, 副ラボ長 (30195911)
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Keywords | 中性粒子ビーム / エッチング / 表面改質 / エッチングダメージ / ナノカラム / 負イオン / 有機分子デバイス / 半導体デバイス |
Research Abstract |
本研究で開発した中性粒子ビーム源を用いて、本年度は、50nmポリシリコンゲート加工、フェリチン鉄コアを用いた7nmエッチング、フッ素ガスを用いた異方性エッチング、低誘電率膜エッチング、自己組織化単分子膜(SAM)の改質を行った。 50nmレベルのpoly-Siゲート電極加工を行った。中性粒子ビームは低エネルギーでエネルギー制御が可能なため、ハードマスクが不要で、単層レジストでの加工が実現された。さらに、MOSキャパシタのリーク電流を測定したところ、リーク電流はプラズマ加工と比較して1桁低く、ダメージの少ない加工が実現された。 さらに微細な構造を作製するため、フェリチンというタンパク質に含まれる直径7nmの鉄コアをマスクとして、中性粒子ビームによるシリコン加工を行った。その結果、直径7nmのシリコン円柱構造(ナノカラム)の作製に世界で初めて成功した。プラズマ加工では鉄コアが完全に消失し、ナノカラムは作製できなかった。 異方性エッチングとエッチング速度の両立を目指す目的で、F2ガスを用いたフッ素中性粒子ビーム加工を試みた。SF6ガスを用いたフッ素中性粒子ビームと比較し、異方性が格段に改善された。また、塩素中性粒子ビームの約7倍ものエッチレートが得られ、良好な異方性と高いエッチレートの両立が実現された。 半導体デバイスの層間絶縁膜に用いられる低誘電率(low-k)膜のエッチングおよびレジストアッシングの研究を行った。紫外光の抑制により、非常に高いエッチング選択比が得られ、ダメージ(誘電率の上昇)が大幅に抑制された。 次世代デバイスのひとつとして注目されている有機分子素子の実現を目指して、中性粒子ビームを使った有機分子の物性制御を試みた。金基板上のターフェニルメタンチオール(TP1)分子のSAMに窒素中性粒子ビームを照射することで、TP1の分子構造を破壊することなく、表面の窒化が実現された。
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Research Products
(5 results)