2003 Fiscal Year Annual Research Report
地震時救命ライフラインの機能維持と人的被災軽減に関する研究
Project/Area Number |
15360242
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高田 至郎 神戸大学, 工学部, 教授 (40027280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能島 暢呂 岐阜大学, 工学部, 助教授 (20222200)
渕田 邦彦 八代工業高等専門学校, 教授 (80124155)
清野 純史 京都大学, 工学研究科, 教授 (00161597)
細井 由彦 鳥取大学, 工学部, 教授 (50127859)
鈴木 崇伸 東洋大学, 工学部, 助教授 (50256773)
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Keywords | 列車事故 / 人的被害 / 液状化 / 震度情報 / リアルタイム被害予測 / 道路閉塞 / 救命ライフライン / 応急給水 |
Research Abstract |
道路・鉄道・通信・水道システムなどの地震時機能停止は、生活不便のみならず人的被害を招く可能性がある。それらを救命ライフラインと位置づけて、ライフライン機能停止と人的被害の関連について下記のような検討を行っている。 ・高田 病院における地震直後のライフライン機能停止は、入院患者はもちろんのこと負傷者の応急医療に支障をきたし、社会的影響が大きい。病院外部から供給されるライフライン機能と病院内部におけるライフライン機能・バックアップシステムの損傷確率を算出して、病院ライフラインが機能する確率を総合的に評価した。さらに、地震ハザードリスクを算出して、病院機能のロス関数を求めた。 ・清野 1995年の兵庫県南部地震では、鉄道橋の桁の落下あるいは崩壊が32ヶ所で発生した。本研究では、鉄道地震災害の波及の影響を検討するため、落橋部分が原因となる列車事故が発生した場合の列車挙動と車内の人的被害について検討を行った。 ・淵田 兵庫県南部地震時の神戸地域における表層地盤の液状化を含めた地震応答解析を行い、地盤ひずみ応答特性や加速度応答集中域と、埋設管路等構造物被害との関連性について検討した。 ・能島 兵庫県南部地震の被災事例に基づいて、震度情報からライフライン機能の被害と復旧過程を予測するモデルを構築した。また近年のライフライン被災事例を調査してモデルの検証を行い、改良に向けての検討を行った。 ・鈴木 インフラ設備・サービス被害の早期検知技術とリアルタイム地震情報の活用に関する研究を行った。早期検知技術の調査の中で、内閣府の停電・ガス停止情報が注目される。またリアルタイム地震情報についても、救命ライフラインシステムへの応用を考える計画である。 ・細井 救命に必要となる生活用水を応急給水で供給する方法について検討した。とくに地域性を考慮した給水計画をたてる方法を、理論と現地調査の双方により検討した。
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[Publications] 細井由彦, 増田貴則: "2001年芸予地震における断水による住民生活への影響"土木学会論文集. No.734, VII-27. 143-156 (2003)
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[Publications] 能島暢呂: "被災事例に基づく供給系ライフラインの地震時機能停止と復旧過程の予測-想東海・東南海地震を対象として-"地域安全学会梗概集. No.13. 101-104 (2003)
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[Publications] 鈴木崇伸: "リアルタイムリアルタイム地震情報の教育機関における活用法"平成15年度東洋大学工業技術研究所研究発表会概要集. (未定). (2004)
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[Publications] 鈴木崇伸: "災害時の情報流通の課題"地震ジャーナル. Vol.35. 10-14 (2003)
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[Publications] 鈴木崇伸: "振動計測にもとづく地盤・構造物の変状検知"第58回土木学会年次学術講演会CS部門. (未定). (2003)
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[Publications] 細井由彦: "地震被災後の応急給水における水運搬距離の設定方法に関する研究"水道協会雑誌. 72巻・4号. 21-33 (2003)
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[Publications] 高田至郎: "斜面地形の住家被害と地震動特性〜平成12年芸予地震における呉市の場合"日本地震工学論文集. 3巻・2号. 1-12 (2003)
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[Publications] Shiro Takada: "Detection of Pipeline Damage Location by Neural Network Based on Flow Back Analyses"建設工学研究所論文集. 45号. 209-255 (2003)
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[Publications] Shiro Takada: "State of The Arts on Lifeline Earthquake Engineering in Japan"Seventh Baku International Congress "Energy, Ecology, Economy" Baku, Azerbaijan Republic 26-27 June. Vol.7. 3-14 (2003)
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[Publications] Shiro Takada: "Japanease Seismic Design Codes for Gas Supply System after The Kobe Earthquake"Seventh Baku International Congress "Energy, Ecology, Economy" Baku, Azerbaijan Republic 26-27 June. Vol.7. 54-62 (2003)
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[Publications] 清野純史: "強震動による高架橋被災時の列車事故とその人的被害について"地域安全学会論文集. No.5. 1-10 (2003)
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[Publications] Fuchida, K.: "Aseismic design by ground improvement for preventing damage of soil-pile foundation-super structure system"Proceedings of the Fourth International Conference on Earthquake Resistant Engineering Structure. 37-46 (2003)