2004 Fiscal Year Annual Research Report
地震時救命ライフラインの機能維持と人的被災軽減に関する研究
Project/Area Number |
15360242
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高田 至郎 神戸大学, 工学部, 教授 (40027280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍬田 泰子 神戸大学, 工学部, 助手 (50379335)
村上 ひとみ 山口大学, 理工学研究科, 助教授 (10201807)
能島 暢呂 岐阜大学, 工学部, 助教授 (20222200)
鈴木 崇伸 東洋大学, 工学部, 助教授 (50256773)
細井 由彦 鳥取大学, 工学部, 教授 (50127859)
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Keywords | 病院ライフライン / 地震リスク評価 / 応急給水 / 閉じ込め予測 / 新潟県中越地震 / 復旧曲線 / 通信途絶 / 携帯電話 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は以下のようである。 ・救助要請に関わる情報伝達プロセスを向上させるために兵庫県南部地震時の救助要請プロセスを分析した.警察への駆け込みによる救助要請のあった場所の30%で死者が発生しており,駆け込みによる要請には重要な情報が含まれていたことを明らかにした。 ・兵庫県南部地震における東灘区と北淡町のアンケートデータを基に、家屋倒壊による身体的閉じ込めと室内被害による空間的閉じ込めを数量II類の判別分析により分析し、家屋被害程度、階数、地域特性の影響を明らかにした。また、時間とともに低下する震後余命特性をワイブル分布関数にモデル化し、地震直後の死亡危険度と救助活動の効果を評価する方策を提案した。 ・2004年新潟県中越地震における供給系ライフラインの機能障害について調査した.機能停止確率をロジスティック関数でモデル化して兵庫県南部地震と比較した結果,より低震度で機能障害が発生しており,その理由としては,ネットワーク施設の脆弱性およびネットワーク形態の両方が関与していると考えられる. ・2004年10月に発生した新潟県中越地震における通信被害の影響について調査を行った.他のライフライン被害に比べると通信支障は小さかったといえるが,山間部の通信途絶による被害把握の遅れは,今後の防災対策を考える教訓となる.また携帯電話が広く普及してはじめての被害地震ともいえ,通信手段の分析を今後いつそう行う必要がある. ・断水状況下で家庭の水使用行動が受ける制約をアンケート調査により調べた.それらをもとに水使用行動に費やす時間,水量を考慮した水使用の行動モデルを作成した.モデルを用いて応急給水の拠点配置が変化した場合の家庭内の水使用がどのように変わるかを検討した.
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