2005 Fiscal Year Annual Research Report
イオン電導セラミックスを用いた骨組織伝導材料の開発
Project/Area Number |
15360338
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中村 聡 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (40227898)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 仁大 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70174670)
大柿 真毅 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (50223748)
|
Keywords | 電気分極 / 骨組織伝導 / セラミックス / 水酸アパタイト / 生体活性ガラス / ジルコニア |
Research Abstract |
本研究では、分極により大きな表面誘起電荷が得られるイオン電導性セラミックスを応用し、骨組織伝導が制御できる新規生体材料を開発することを目的として、分極イオン電導性セラミックスの骨類似アパタイト伝導メカニズムの解明、接着性細胞外基質の吸着実験ならびに培養細胞系及び動物実験系による生物学的評価を行うことを目的としている。 今年度においては,水酸アパタイト,生体活性ガラスに加えてジルコニア系セラミックに対して検討を行った。また、研究全体を総括し今後の研究指針を得た。 分極処理をした水酸アパタイトを骨組織中に埋入した場合,骨形成が早期に起こることと,その際に血管新生も早期に誘導されることは既に前年度までに実証し,血管内皮細胞培養系では分極電荷誘起面において初期接着促進されていることが明らかにした。そこで血清タンパク質に対する相互作用について検討したところ,血液凝固因子の酵素活性に対して分極電荷が影響を与えていることが明らかになった。血液凝固因子は骨形成因子としても機能することすることから,この現象は分極したイオン伝導セラミックスが示す骨伝導促進の一因と考えられた。 また,ジルコニア系セラミックは電気分極可能であることは前年度までに実証したが,骨伝導促進は出現しなかった。今年度,電気分極したジルコニア系セラミックに化学処理を更に施すことにより骨伝導促進をはかることができた。 以上より、数種類のイオン電導性セラミックスを分極し表面誘起電荷を発生させることにより、骨組織伝導が制御できる新規生体材料を開発することに成功した。
|
Research Products
(17 results)