2003 Fiscal Year Annual Research Report
初期胚発生過程における銅シャペロンCox17pの重要性
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15370050
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加香 孝一郎 筑波大学, 応用生物化学系, 助手 (60311594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 浩子 帝京大学, 医学部, 助教授 (00093386)
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Keywords | Cox17p / ミトコンドリア / Sco1 / 2p / シトクロムc酸化酵素 / 細胞内銅輸送機構 |
Research Abstract |
既に我々は、哺乳類Cox17pが細胞内と同じ還元条件下で銅イオン特異的に、1:3のモル比で結合することを見出してきたが、実際にCu-Cox17pがミトコンドリアのシトクロムc酸化酵素(CCO)を活性化するかについては不明であった。そこで、ラットの肝臓から調製したミトコンドリア内膜画分を用いて、in vitroでCCO活性に対する影響を検討したところ、Cu-Cox17pは還元型グルタチオン存在下で有意にCCOを活性化した。更に、Cox17pと共役して銅イオンをCCOに運ぶと考えられている内膜タンパクSco1/2pのGST-融合タンパク質を用いて、ミトコンドリア膜間領域に到達したCu-Cox17pから、最終的に銅イオンがCCOへどの様に伝達されるかを検討した。その結果、(1)Cox17pはin vitroでSco1/2pと結合する事、(2)Sco1/2pはCCOのサブユニットのうち、複核中心CuAを有するCox2pサブユニットと結合する事、(3)更にはCox17p自身も直接Cox2pサブユニットに特異的に結合しうる事、を明らかにした。またこれらの結果に加えて、(4)(1)〜(3)のそれぞれの結合には銅イオンそのものは必要ない事、(5)既に我々及び他のグループで示された、COX17遺伝子破壊マウス及びSCO1,2遺伝子の変異体の表現型が重篤なCCO活性不全をもたらすという事実から、ミトコンドリア内膜上での銅イオンの輸送には、これらの分子同志のタンパク-タンパク間の相互作用が重要である可能性が示された。現在、培養細胞系を用いてin vivoにおける、これらの分子間の相互作用について検討中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 西の首いずみ: "Highly conserved Drosophila ananassae timeless gene functions as a clock component in Drosophila melanogaster"Gene. 307. 183-190 (2003)
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[Publications] 高橋良徳: "Mammalian copper chaperone Cox17p is indispensable for cellular respiration and embryonic development"J.Peptide Sci.. 8. s192-s193 (2003)
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[Publications] 加香孝一郎: "Histochemical analysis of copper chaperone proteins -Cox17p, Sco1p and Sco2p- in different regions of the mouse brain"Biomed.Res.Trace Elements. 14. 284-286 (2003)
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[Publications] 加香孝一郎: "Cox17p plays a key role for maintenance of cellular copper homeostasis""Peptide science 2002"(Yamada, T., Ed.), Protein Research Foundation, Osaka. 119-122 (2003)