2003 Fiscal Year Annual Research Report
植物細胞の環境ストレスに応答するNa^+とK^+輸送系の解明
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15380070
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
魚住 信之 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 助教授 (40223515)
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Keywords | K^+ / Ktr / らん藻 / KUP / シロイヌナズナ / スフェロプラスト / 大腸菌 / プロトン駆動力 |
Research Abstract |
Ktr/HKT系のイオン選択孔の中には塩基性アミノ酸(Arg)が存在する。ArgをLysへの置換はK^+輸送活性に影響を与えなかった。一方、AlaやGluへの置換はK^+輸送活性を減少させた。本残基がK^+選択性にも関与することが示唆された。この陽電荷アミノ酸は原核生物から真核生物のKtr/HKT系輸送系で保存されている。 らん藻Ktr系の破壊株のイオン輸送機能を野生株と比較した。らん藻の破壊株のK^+輸送は減少していることが分かった。また、本輸送系はNa^+に強い依存性があるが、Na^+の輸送活性はほとんど見いだせなかった。また、pHは中性付近で最も輸送活性が高いが、プロトンイオノフォアの添加で輸送活性が阻害されたことから、プロトン駆動力が必須であることが明らかとなった。一方、Ktr破壊株で検討した培養条件で同じ表現系を示すらん藻の二成分系変異株をスクリーニングしたが、Ktr系の破壊株で阻害を受ける二成分系変異株は取得できなかった。このことは、原核生物から真核生物に渡って他の情報伝達系で輸送活性が調節されていることを示唆している。 シロイナズナおよび大腸菌KUPの膜貫通構造をCystein scanning法で決定する。既に蛋白質内に存在する4つのCysをSerに置換してもK^+輸送活性を維持することを確認している。膜貫通領域の前後にCysを導入し、スフェロプラストを用いて膜透過性NEM-biotinmaleimideと膜非透過性MTSETの2つのSH試薬を用いて膜トポロジーを決定した。先にアルカリフォスファターゼ融合法で決定したシロイナズナAtKUP1のトポロジーと比較したところ異なる箇所が見出された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 佐藤陽子, 水谷昭文, 魚住信之: "K^+イオン輸送系の植物成長と塩感受性への役割"蛋白質核酸酵素増刊号 共立出版. 48・15. 2052-2060 (2003)
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[Publications] Berthomieu, P., et al.: "Functional analysis of AtHKTl in Arabidopsis shows that Na^+ recirculation by the phloem is crucial for salt tolerance"EMBO J.. 22. 2004-2014 (2003)
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[Publications] Kato Y., Hazama A., Yamagami M., Uozumi N.: "Addition of a peptide tag at the C terminus of AtHKTl inhibits its Na^+ transport"Biosci.Biotech.Biochem.. 67. 2291-2293 (2003)
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[Publications] Umigai, N., et al.: "Topogenesis of two transmembrane type K^+ channels, Kir 2.1 and KcsA"J.Biol.Chem.. 278. 40373-40384 (2003)
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[Publications] Zhang, L., Lee, J-K., John, S.A., Uozumi, K., Kadama, I.: "Mechanosensitivity of GIRK channels is mediated by PKC-dependent channel-PIP_2 interaction"J.Biol.Chem.. In press. (2004)
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[Publications] 水谷昭文, 佐藤陽子, 松田信行, 加藤靖浩, 魚住信之: "植物カリウムイオン輸送系と生理的役割"植物細胞工学別冊 秀潤社. 18. 40-47 (2003)