2003 Fiscal Year Annual Research Report
DNAマーカーを用いた魚類における環境適応個体の遺伝的判別法の開発
Project/Area Number |
15380129
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中嶋 正道 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (20192221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BARINOVA Anna 東北大学, 大学院・農学研究科・日本学術振興会, 外国人特別研究員
谷口 順彦 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20036742)
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Keywords | グッピー / 高温耐性 / マイクロサテライト / AFLP / リンケージマップ / 連鎖解析 / 量的形質 / 交配実験 |
Research Abstract |
本課題はグッピーをモデル実験魚として魚類の高温耐性に関与する遺伝子を探索し、探索された遺伝情報を基に産業対象種における高温耐性個体の判別手法を確立することを目的としている。今年度はモデル実験魚であるグッピーにおいて高温耐性の評価手法の確立、DNAマーカーを用いた連鎖地図の作成、高温耐性の遺伝様式の推定を行うことを目的とし、以下の解析を行った。 1)グッピーにおいてマイクロサテライトDNAマーカーの開発を行った結果、43のマイクロサテライトDNAマーカーが開発された。これら43マーカー座と既に報告されている6マーカー座を用いて連鎖解析を行ったところ6連鎖群が推定された。 2)これまでに高温耐性の評価方法として水温35℃における24時間後の生残率と水温37℃における死亡時間の二つの方法が用いられていた。これら高温耐性の評価方法について検討した結果、水温35℃での24時間後の生残率と水温37℃での死亡時間とには有意な正の相関が観察され、水温37℃で5時間以上生残する個体が、水温35℃で24時間以上生残する個体に相当することがわかった。 3)交配実験から高温耐性の遺伝様式の推定を試みた。その結果、親魚と子魚高温耐性の関係から、高温耐性に関与する主働遺伝子の存在が示された。また、この遺伝子がX染色体上のY染色体とは相同ではない部分に存在すると推定され、耐性遺伝子が感受性遺伝子に対して優性であることが示された。これらの結果は2003年10月にシンガポールで開催された観賞魚の増養殖に関する国際会議"Aquarama2004"において発表された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Watanabe et al.: "Isolation and characterization of 43 microsatellite DNA markers for guppy(Poecilia reticulata)"Molecular Ecology Note. 3(4). 487-490 (2003)
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[Publications] Watanabe et al.: "Construction of six linkage groups in the guppy(Poecilia reticulata)"Animal Genetics. (In press).