2005 Fiscal Year Annual Research Report
DNAマーカーを用いた魚類における環境適応個体の遺伝的判別法の開発
Project/Area Number |
15380129
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中嶋 正道 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (20192221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 順彦 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20036742)
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Keywords | グッピー / ヒラメ / ギンブナ / アユ / RT-PCR / サブトランクション法 / 尾鰭遊離細胞 / 高温耐性 |
Research Abstract |
昨年度サプレッションサブトラクティブハイブリダイゼイション法により高温処理時に特異的に発現している遺伝子の探索を行った。今年度は昨年度から引き続き得られたcDNA断片の解析を行うとともに得られた遺伝子断片の発現解析を行った。また、モデル実験魚であるグッピー以外の産業対象種についても高温耐性実験を行った。この際、個体レベルでの高温処理のほかに細胞レベルでの高温処理実験を行い、個体レベルでの高温耐性との関係について調べた。 今年度の研究実績の概要は以下のとおりである。 1)グッピーにおけるDNAマーカーを用いたマッピングを継続した。マイクロサテライトDNAマーカーに加え、AFLPマーカーを用いることにより33のリンケージグループを検出することが出来た。 2)マイクロサテライトDNAマーカーとのリンケージ解析から、黒色素胞と蛍光色素胞の有無と弱い連鎖を示すマーカーPret-53が検出された。また、黒色素胞と蛍光色素胞の有無を支配する遺伝子が連鎖していることが示された。 3)ギンブナ、アユ、ヒラメにおいて個体レベルと細胞レベルでの高温耐性を比較した結果、両者の耐性には相関が見られた。このことから、個体を殺すことなく、尾鰭遊離細胞を用いた細胞レベルで高温耐性が評価できることが示された。 4)サブトラクション法で得られた遺伝子断片を用いてRT-PCR法を用いた発現解析を行った。その結果、高温処理時に発現している遺伝子のほとんどは耐性個体と感受性個体間で発現量に差は無かったが、Vitellogenin遺伝子では発現量に差が見られた。このことから、Vitellogenin遺伝子が高温耐性に何らかの影響を及ぼしている可能性が示された。
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Research Products
(3 results)