2003 Fiscal Year Annual Research Report
世界遺産白神山地ブナ原生林における遺伝的構成とその保持に関する研究
Project/Area Number |
15380219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
牧田 肇 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (80004464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤田 辰治 弘前大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (10250630)
原田 竹雄 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (10228645)
新関 稔 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (40001490)
千田 峰生 弘前大学, 遺伝子実験施設, 助手 (30261457)
石川 隆二 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (90202978)
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Keywords | 世界遺産白神山地 / ブナ / 遺伝的多様性 / SSR / AFLP / ITS / MYB |
Research Abstract |
本研究は、白神山地におけるブナ原生林の遺伝的多様性を調査することにより、このブナ集団についての理解を深め、原生林の保全に役立てることを目的とする。調査地として、世界遺産指定地域を囲む山域のうち、青森県側に4峰、秋田県側に2峰を選び、それぞれの山域で4ないし5地点、合計26地点(総計130個体)からサンプリングを行った。DNA解析により得られた知見は以下に要約される。 1、AFLP解析による個体間差の検出 全DNAを用いてAFLP解析を行ったところ、各個体より約80本のバンドが検出された。これらのバンドパターンを比較したところ、全ての個体に複数の変異バンドが見られた。これより、白神山地のブナ集団に極めて高い多様性がある可能性が示唆された。 2、ITS(internal transcribed spacer)領域の解析 18S rRNAと25S rRNAのコード領域の間に存在するITS1-5.8S rRNA-ITS2の領域をPCR増幅し塩基配列を解析したところ、ITS1領域の18S rRNAから数えて56番目、102番目、および116番目において変異が検出された。これらの配列から4種類のハプロタイプが見出された。世界のブナ属のITS配列は全てが(G^<56>C^<102>A^<116>)のハプロタイプにあたることから、その他の3種類のハプロタイプは日本のブナに特有の変異であると考えられた。 3、SSR(simple sequence repeat)マーカーの開発 MYBスーパーファミリーの保存配列をもとに作成したデジェネレートプライマーにより、ブナのDNAから数十種類のPCR増幅産物が得られた。そのバンドパターンに個体間の変異が見られた。変異バンドの塩基配列を調べたところ、イントロン配列にSSRをもつMYBが3遺伝子同定された。これらの配列の前後にプライマーを設定して個体間差を調べたところ、それぞれについて極めて多様な変異が見つかり、多いものでは17種類の対立遺伝子が検出された。 以上の結果について現在投稿論文を作成中である。
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