2004 Fiscal Year Annual Research Report
微細染色体構造異常の検出を可能とする高精度CGHアレイの開発と実用化
Project/Area Number |
15390112
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
稲澤 譲治 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (30193551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井本 逸勢 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (30258610)
横井 左奈 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (30372452)
水谷 修紀 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60126175)
有井 滋樹 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50151171)
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Keywords | 微細ゲノム構造異常 / 自閉症 / 遺伝疾患 / 染色体異常症 / がん / CGHアレイ / 網羅的 / メチル化 |
Research Abstract |
高精度CGH(comparative genomic hybridization)アレイを開発し、遺伝疾患や癌細胞に起きた微細ゲノム構造異常の探索を染色体ワイドに実施して、検出した疾患特異的ゲノム構造異常を糸口に、疾患の発症に関連する遺伝子を同定することを目的に研究を進め、以下の成果が得られた。 1.総数900種を超える種々の癌においてゲノムコピー数異常を解析しデータベースを構築し、さらに内容を改訂し、英語ヴァージョンを作成した。(http://www.cghtmd.jp) 2.CGHアレイで検出したホモ欠失より新規の食道扁平上皮癌の癌抑制遺伝子LRP1Bを同定した。 3.総数7099個のBACクローンを搭載した高密度、高精度ゲノムアレイを構築した。これを用いて、微細ヘミ欠失を検出することが可能になっており、従来、本態不明とされてきた遺伝的背景の強い疾患群において、疾患遺伝子同定の糸口となるゲノム構造異常を特定することに期待がかかる。また、既知35種類の遺伝性疾患の染色体異常、ならびに全染色体のサブテロメア領域欠失の微細ゲノム構造異常を検出する遺伝疾患診断用アレイを作製し、実用化レベルとした。既に、国立成育医療センター、旭川医大、千葉県子ども病院、神奈川子ども医療センター、大阪母子保健センターなどでは、臨床診断法としての検証が進められている。 4.ゲノムアレイの応用により、メチル化DNA領域の網羅的検出を可能とするシステムを構築した。このBAC array-based MCA(BAMCA)法により、神経芽細胞腫をはじめ幾つかの病型で癌細胞特異的にメチル化される癌抑制遺伝子候補を同定した。 5.ゲノムアレイにクロマチン免疫沈降法を応用することにより、特定タンパク質の結合DNA領域をスクリーニングする方法"ChIP-on-chip"を確立した。既に、E2F1の新しい標的遺伝子を明らかにすることができた。
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Research Products
(8 results)
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[Book] 学術月報2004
Author(s)
稲澤 譲治
Total Pages
88
Publisher
独立行政法人日本学術振興会
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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