2003 Fiscal Year Annual Research Report
ブータンにおける在来家畜及び近縁野生種の遺伝資源学的調査研究
Project/Area Number |
15405033
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山本 義雄 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 名誉教授 (10032103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 良博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90092303)
並河 鷹夫 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (70111838)
天野 卓 東京農業大学, 農学部, 教授 (90078147)
野村 鴻 東京農業大学, 農学部, 講師 (60277241)
山縣 高宏 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (50242847)
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Keywords | ブータン / 遺伝資源 / 家畜 / ウシ / ブタ / ニワトリ / スンクス / DNA |
Research Abstract |
2003年7月19日から27日まで、並河と西堀がブータン王国を訪問し、本課題の遂行のために海外共同研究者と直接会い、研究設備、研究体制などを含めた予備的な調査を行った。その結果、研究を十分遂行できると判断した。当初の計画では、2004年3月にブータンに渡り、調査を実施する計画であったが、ブータン国内の治安の不安定およびトリインフルエンザの危険性を加味して、2004年6月まで計画を延期した。2004年6月15日から30日まで、山本、山縣、野村、高橋、倉知(名古屋大学学生)および西堀の6名がブータンに渡り、調査を進めた。調査地点は、9県(Paro, Thimphu, Punakha, Wangdue Phodrang, Tongsa, Bhumthang, Zhemgang, Sarpang)であり、調査対象はウシ、ミタン、イノシシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ(以上家畜およびその近縁種)、ニワトリ、ヤケイ(以上家禽および近縁種)、スンクス、マウス(小型実験動物)について、形態観察、採血、生息状況の聞き取りを行った。形態観察では、1)ウシの毛色が近隣諸国と比較すると特異であった、2)在来牛とミタンの交雑種が多数観察された、3)ブタには、イノシシが一部交配されていた、4)宗教上、生物を殺さないことから、ニワトリでは5歳以上の個体が多数観察された。スンクスは、インド国境付近およびモー川流域に生息が確認でき、一部捕獲することができた。血液サンプルは、ニワトリについては日本に持ち帰り、現在、タンパク質多型およびDNA解析を行っている。哺乳類の血液サンプルについては、2004年8月にブータンで解析する計画である。
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