2003 Fiscal Year Annual Research Report
中国における小反芻動物の住血原虫感染症の実態解明と制圧法の開拓
Project/Area Number |
15405036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
杉本 千尋 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (90231373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 昇 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 助教授 (10271751)
玄 学南 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 助教授 (10292096)
藤崎 幸蔵 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (00292095)
横山 直明 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 助教授 (80301802)
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Keywords | タイレリア / マダニ / 住血微生物 / 中国 |
Research Abstract |
本研究では、中国西部諸省において大きな経済被害を与えている小反芻動物(羊・山羊)のタイレリア原虫感染症を中心に、その実態を現地研究者と共同して調査する。感染の実態は酵素抗体法などの血清学的サーベイに加えて、リボソーム/表面抗原遺伝子を標的とした遺伝子増幅法で高感度検出法を確立すると同時に、株間の多様性について検討する。さらにベクターであるマダニの同定と分布状態の調査を実施しベクターコントロールの可能性を探る。 本年度は新彊地域において牛、羊の原虫調査を行った。すなわち、同地域に飼育されている牛、羊、ヤクの血液を採取し、血液塗抹標本を作製し、顕微鏡下で赤血球内に寄生する原虫等の検出を行った。その結果、牛の血液試料中にはタイレリアと考えられる原虫が検出された。羊、山羊には原虫は認められなかった。各血液試料はFTA濾紙にスポットし、室温で乾燥後メタノール固定を施し、DNA抽出用の試料として保管した。今後、原虫種を同定するためrRNAを標的としたPCRを実施する計画である。甘粛省・青海省においては羊に寄生するマダニ(Haemaphysalis qinhaiensis)のDNAを調製し、H.longicornisの唾液蛋白質(p29、p35)の遺伝子配列を基に設計したプライマーによりPCRを実施したところ、陽性のバンドが得られた。さらにこのバンドをクローン化して塩基配列を決定したところが、目的とする遺伝子ではなかった。
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