2004 Fiscal Year Annual Research Report
ウサギ腰髄交連細胞機構の構築と後肢跳躍運動の発現・制御における機能的役割
Project/Area Number |
15500287
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
松山 清治 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (40209664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 卓 札幌医科大学, 医学部, 助手 (50325867)
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Keywords | 歩行運動 / 跳躍運動 / 歩行中枢 / 脳幹 / 脊髄 / ウサギ / 小脳 / 下行性投射系 |
Research Abstract |
本研究では左右肢同位相の跳躍運動を基本歩容とするウサギを用いて、新たな歩行標本の確立を図るとともに、跳躍運動の発現・制御に関わる中枢神経機構の解明を目的としている。本年度は除脳ウサギ標本で同定した中脳歩行誘発野(MLR)と小脳歩行誘発野(CLR)刺激による跳躍運動誘発に如何なる下行性経路が関わっているかを明らかにするために以下の研究を行った。 【方法】ハロセン麻酔下でウサギの上丘前縁と乳頭体後縁を結ぶ面で上位脳を離断し除脳ウサギ標本を作製した。除脳ウサギの頭部を脳定位装置に固定し、胸・腹部をゴムベルトで保持し反射直立姿勢を維持した。除脳ウサギのMLRおよびCLR部位に電極を刺入し、連続電気刺激により跳躍運動が誘発されることを確認し電極を固定した。その後、除脳ウサギを再度ハロセン麻酔し、(1)下部胸髄レベルで脊髄半切断、(2)下部延髄レベルで内側縦束切断を行った。麻酔から回復後、MLRおよびCLR刺激を刺激し上記(1)(2)の跳躍運動誘発への影響について解析した。 【成績(1)】下部胸髄半切断による影響:MLRおよびCLR刺激により脊髄健常側の後肢に跳躍運動が誘発された。これより左右後肢の同位相跳躍運動の発現には両側の下行性経路の働きが重要であると推測された。 【成績(2)】内側縦束切断による影響:下部延髄中央部に幅数ミリのフィルムを刺入し内側縦束を切断したところ後肢筋の筋緊張が低下したが、MLRおよびCLR刺激により左右後肢に跳躍運動様の同位相リズムが依然として誘発された。これより跳躍リズム発現には脳幹の外側を通過する下行性経路が重要であることが示唆された。 以上の研究成果(1)については平成16年10月23〜27日に開催された第34回北米神経科学会議(米国・サンディエゴ)で発表した。研究成果(2)については平成17年7月26〜28日に開催される第28回日本神経科学大会(横浜)において発表する予定である。
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Research Products
(4 results)