2003 Fiscal Year Annual Research Report
神経因性疼痛モデルにおいて、疼痛が骨格筋に及ぼす影響
Project/Area Number |
15500364
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
堤 惠理子 広島大学, 医学部, 助手 (40304422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 浩太郎 広島大学, 医学部, 講師 (60263703)
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Keywords | 筋萎縮 / CCIモデル / 不動モデル |
Research Abstract |
神経因性疼痛の代表的モデルであるCCIモデル(chronic constriction in jury model)において筋萎縮が報告されているが、影響する因子について報告したものは少ない。そこで、CCIモデル群(CCI群)、CCIモデルに固定による不動(inmobilized)を施した群(CCI+IM群)、固定のみの不動モデル群(IM群)を比較検討することで、CCIモデルに生じた筋萎縮に不動以外の因子が関与しているかどうかを検討した。 C57BL/6N系雄性マウス(10適齢)63匹に対して、CCI群(n=23)の左側後肢にCCI術を施行し、CCI+IM群(n=19)にはCCI術後1日で股関節、膝関節、足関節を固定し、IM群(n=21)は同様の固定のみを行った。CCI群およびCCI+IM群は、術前及び術後1週毎に熱刺激に対する逃避反応時間の測定を両側後肢足底で行い、痛覚過敏の有無を確認した。各群を術後1、2、3週で屠殺し、前脛骨筋(TA)、腓腹筋(GC)を採取し筋湿重量を測定した。筋湿重量/体重(MW)を求め、左右比較と群間比較を行った。 結果として、術側の逃避反応時間は有意に短縮した。筋湿重量の左右比較は、術後2、3週で各群全ての筋において術側のMWが有意に減少した。群間比較について、3週のTAはIM群>CCI+IM群>CCI群、GCはIM群>CCI群>CCI+IM群の順でMWが減少し有意差がみられた。 本研究でCCI群およびCCI+IM群は、IM群と比較して筋萎縮度が高い傾向を示したことから、CCIモデルにおける筋萎縮には不動以外の因子も含まれていることが示唆された。不動以外の因子として1)運動神経の部分損傷、2)神経の炎症が痛覚伝達路を刺激し神経ペプチドや発痛物質の影響などが考えられる。今後は、免疫組織学的な筋線維やCGRP陽性線維分布の検討を予定している。なおこの結果は、第39回日本理学療法学術大会において発表する予定である。
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