2004 Fiscal Year Annual Research Report
重金属汚染土壌の浄化と重金属資源の回収技術開発に関する研究
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15510073
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
小畑 仁 三重大学, 生物資源学部, 教授 (70024594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 隆文 三重大学, 生物資源学部, 助手 (50346003)
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Keywords | Thlasip japonicum / ニッケル輸送 / ZIP family transporter / Nramp family transporter / TjZNT1 / TjZNT2 / TjNRAMP1 / Histidine rich domain |
Research Abstract |
本年度はニッケル超集積性植物Thlaspi japonicumよりニッケルの集積および耐性にかかわる遺伝子群を単離紙、その機能の解析を進めた。 Thlaspi japonicumのcDNAよりこれまで鉄、亜鉛、カドミウムおよびマンガンの輸送が報告されているZIP(ZRT/IRT like transporter protein)のホモログ遺伝子を2種単離した。またNRAMP(Neural resistance-associated membrane protein)のホモログ遺伝子を1種類単離し、それぞれTjZNT1、TjZNT2,TjNRAMP1と命名した。TjZNT1および2は6カ所、TjNRAMP1は12の膜透過領域を持つ膜タンパク質と推定され、特にTjZNT1およびTjZNT2は膜透過ドメインIII-IVの間に高ヒスチジン領域(Histidine-rich domain)を2箇所有していることが判明した。これはニッケル輸送に関連する領域と推定された。 各遺伝子の発現プラスミドを構築し、酵母における金属耐性能について検討を行った結果、TjZNT1およびTjZNT2の発現はこのウドニッケルに対するおおはbな耐性能の上昇を示し、細胞内におけるニッケル集積量の減少をもたらした。一方TjNRAMP1は遺伝子の発現によりニッケルの対する感受性が上昇し、また酵母におけるニッケル集積量の増加をもたらした。以上の結果より、Thlaspi japonicum由来のTjZNT1,2とTjNRAMP1はニッケルの輸送能力を有し、細胞内におけるニッケル濃度の調節に寄与している可能性が示唆された。 他の金属の輸送能力についても検討した結果、TjZNT1はマンガン、亜鉛、及びカドミウムに対する輸送能力を示し、TjZNT2は亜鉛とマンガンについて輸送能力が確認された。一方でTjNRAMP1は他の植物由来Nrampと異なり、マンガンやカドミウム、亜鉛に対する輸送能力を示さず、ニッケルのみを輸送するという特異性を有することが判明した。 以上の結果は2004年度日本土壌肥料学会にて発表した。
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