2006 Fiscal Year Annual Research Report
重金属汚染土壌の浄化と重金属資源の回収技術開発に関する研究
Project/Area Number |
15510073
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
小畑 仁 三重大学, 大学院生物資源学研究科, 教授 (70024594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 隆文 三重大学, 大学院生物資源学研究科, 助教授 (50346003)
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Keywords | カドミウム / マンガン / グンバイナズナ / コシアブラ / フィトケラチン / マンガン可溶化 |
Research Abstract |
4年間の研究で抜けていた部分を重点的に研究するため、汚染除去に応用できる可能性が期待される重金属超集積性植物グンバイナズナおよびコシアブラを用いて、集積のメカニズムについて検討を試みた。 まずカドミウム超集積性のグンバイナズナを用いて、重金属とのキレート生成能力を有するフィトケラチンの合成酵素遺伝子を単離し、そのカドミウム耐性能力について検証を行った。グンバイナズナのフィトケラチン合成酵素(TcPCS)は475アミノ酸残基から成り、その配列はニッケル超集積性植物タカネグンバイやシロイヌナズナ由来のPCSと高い相同性を有していた。TcPCS遺伝子を発現する酵母は100μMのカドミウムを含む寒天培地上においても良好に生育し、液体培地においては300μMまで生育が可能となった。これらのことより、フィトケラチン合成酵素はグンバイナズナのカドミウム耐性に一定の役割を有していることを明らかにした。 マンガン超集積性のコシアブラから誘導されたカルスから再分化体を得て栽培し、培地のpH変化を調べたところ、pHの連続した低下を認め、それに伴うMnO_2の可溶化を認めた。あらかじめコシアブラを栽培した培養液から植物体を除いた残りの液が、MnO_2可溶化能を維持していることを明らかにした。コシアブラを栽培している培養液にH^+-ATPase阻害剤を添加したところ、MnO_2可溶化能が失われた。これらのことより、コシアブラは培地にH^+を放出してpHを下げ、溶液中に溶け出してきたMnO_2を吸収しているものと考えられた。膜透過時のMnの化学型は不明であるが、今後検討を進めることによりコシアブラを用いたマンガン回収技術を進めることが可能となった。
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Research Products
(2 results)