2004 Fiscal Year Annual Research Report
日独若者語対照研究-メディアとのリンケージと語彙集編纂に向けて-
Project/Area Number |
15520272
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
渡辺 学 立教大学, 文学部, 教授 (00175126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 博行 学習院大学, 文学部, 教授 (80127331)
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Keywords | ショートメール / メディア / コミュニケーション / 対照研究 / 携帯電話 / 若者語 / 話し言葉 / 書き言葉 |
Research Abstract |
平成16年度の全体にわたって、若者語対照研究の最前線に触れるため文献講読による知識の補給に意を注ぎつつ、日独両言語における若者語の音声的・語彙的・文法的・機能的特徴を、とりわけその類似性・共通性に注目しながら明らかにすることを試みた。また、携帯電話のメールテクストのコーパスを日独両言語について集積し、その分析を進めた。9月には海外共同研究者のP.Schlobinski教授と専門討議・意見交換を行って、ショートメールの日独比較に関する共同執筆原稿を完成させることができた。その過程で、話し言葉の特性が書き言葉に浸透していく様子が浮き彫りにされるとともに、全角入力を基本とする日本語携帯メールにおける顔文字の頻出にも見られるように、メディアテクノロジーが言語的特徴を条件づけていく機制が明らかとなった。上述のコーパスについては、とりわけ関西方言の関東方言との偏差を特定すべく、現在研究分担者とも協力して、その言語的特性抽出作業を行っている。研究分担者は、インターネットの掲示板における言語に注目し、日独での共通点と相違点の抽出を行う作業を進めている。研究代表者は2月にスイス連邦での国際若者語会議に出席し、ショートメールの日独テクストの比較対照と、そのメディア的規制についての報告を行った。あわせて、ブログをはじめとするニューメディアのありようが若者語に与える影響や話し言葉研究の一部でもある談話分析と若者語研究の交叉点についての概観を得た。以上のような一連の研究活動を生かして、日本語による若者語の基礎語彙表をも含む研究成果をまとめているところである。
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Research Products
(12 results)