2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520458
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
坂下 史 東京女子大学, 文理学部, 助教授 (90326132)
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Keywords | 西洋史 / イギリス / 公共性 / 救貧 / 都市 / 地域 / ヴォランタリズム / 行政 |
Research Abstract |
本研究は、近代イギリスにおける行政改革の実践と公共政策の策定の過程に迫るために、救貧社と呼ばれる救貧行政を実践する組織を研究対象にしている。本年度はとりわけ、都市の行政制度の抜本的な改革が行われ、これと並行して住民の行政への期待が大きく変化した18世紀の最末期から19世紀前半期という時代における救貧社の活動について、地方都市のケースを取りあげて上記の問題を明らかにすることに取り組んだ。 本年度の研究実績は、以下の3点にまとめられる。 1.資料(史料)の収集 (1)国内:19世紀救貧法関係の研究文献および史料の収集。 (2)国外:8月後半から9月に実施したイギリス(オックスフォード、ロンドン、ノリッジ)での調査を通じて、救貧社の活動にかかわる史料を収集(a.地方都市ノリッジの救貧社の執行役員の著作、書簡など。b.1834年の新救貧法制定と救貧社との関係を示すパンフレットや新聞資料など)。 2.中間的成果の発表 9月に国際文化会館にて開催された「2004年渋沢国際儒教セミナー 比較視野のなかの社会公益事業」における口頭報告で、近世イギリスにおける慈善や貧民救済をめぐる状況を整理して提示した。11月には東京大学において開催された史学会第102回大会で報告した。ここではノリッジの救貧社の執行役員の生涯と活動についてのまとめを提示した。 3.成果の公表(「11.研究発表」欄を参照)。 予定研究期間の半分を経過したが、資料の収集はほぼ順調に進んでいる。研究成果の公表については、中間的な報告として順次口頭で発表をおこなっている段階であり、今後はこれらの口頭報告の内容の完成度を高めて活字化していくことが課題となる。
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Research Products
(2 results)