2004 Fiscal Year Annual Research Report
地方都市中心市街地の活性化におけるNPO活動の経済的波及効果に関する研究
Project/Area Number |
15530174
|
Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
山川 充夫 福島大学, 経済経営学類, 副学長 (00094285)
|
Keywords | 都心定住型まちづくり / 福島都心南地区 / 買物動向調査 / グランドデザイン / 回遊性空間 / 安心して歩ける / 福島城下まちづくり協議会 |
Research Abstract |
福島都心南地区は、中心商業地に隣接する商住混合地域であるが、過去30年間の人口減少率が70%に及び、人口空洞化が福島市内で最も大きい。しかし「ふくしま城下まちづくり協議会」が2000年度から福島県地域づくりサポート事業の助成を受け、まちなかガイドブックの作成や「あぶくま鍋を囲む、歴史に学ぶまちづくり」事業を実施する等、地域活性化が芽生え始めた。こうした地方中核都市である福島前の都心南地区において「都心定住型まちづくり」に関する諸調査を行った。その結果は以下の通りである。 1.ふくしま城下まちづくり協議会に参加する49事業所へのアンケート調査について因子分析を行うと、情報収集力、組織力、商品サービス力、伝統力、地域ブランド力の5つを引き出すことができ、これらを好調企業と不調企業に分けて比較すると、これら5つの因子得点が好調企業よりも不調企業において高く現れており、都心南地区においては、総合的な地域活性化が必要であることが判明した。 2.総合的な活性化策を策定するには現況把握が必要であり、35項目に及ぶ意識調査を行い、同地区住民の22%から回答を得た。総合評価は5点満点で2.75となり、住民は現況にはやや低い評価を下している。なお相対的に高い評価が出た項目としては「歴史があるまち」「公共交通機関が便利」などであり、また属性別クラスター分析から旧4号線沿線地区とその他地区との間に現況評価にかかわる地域差があることがわかった。 3.定住促進には日常的な買物先を近くに確保しなければならないが、同地区住民の買物動向は、生鮮食品では周辺商店や福島駅周辺で週2〜3回以上、日用品では郊外大型店で週1回程度、噂好品では郊外大型店や福島駅周辺で月に数回程度、大型家財では専門量販店・郊外大型店で年に数回程度、それぞれ買物していることが判明した。 4.今後のまちづくりに必要なことをアンケート調査からみると、回遊性空間の創出、安心して歩ける、都心居住環境の整備、商業複合ビル建設、若者が集える場所の確保、などが上位に上がった。こうした課題をどのように政策化していくのか、本研究では調査結果のフィードバックを住民に行った。その結果、無料駐車揚・歩道の整備等が喫緊の課題となっていることが明らかとなった。 5.最後に喫緊の課題を都心南地区のグランドデザインとして描く必要があるが、その手がかりとして「岩見プラン」を紹介した。ただしこうしたグランドデザインを描くためにはその推進母体を確立しなければならないが、その役割を果たそうとするのが、NPO的性格を持つ上記協議会の活動であることがわかった。
|
Research Products
(2 results)