2004 Fiscal Year Annual Research Report
少子高齢化社会における租税・社会保障制度の定量分析
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15530215
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岡本 章 岡山大学, 経済学部, 助教授 (10294399)
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Keywords | 少子高齢化 / 税制改革 / ライフサイクル一般均衡モデル / シミュレーション分析 / 累進支出税 / 所得再分配 / 公的年金制度 / 相続税 |
Research Abstract |
本研究の目的は、少子高齢化の急速に進展するわが国における税制改革の指針を探ることにある。少子高齢化の影響を厳密に考慮した分析を行うために、ライフサイクル一般均衡モデルによるシミュレーション分析の手法を採用している。本研究では、代替的な租税政策が資本蓄積および経済厚生に与える影響を定量的に分析している。 分析の結果、所得から支出への課税ベースの移行は資本蓄積を促進し、また支出税に累進構造をもたせることによって、所得再分配を効率的に実施できることが明らかになった。このように、累進所得税中心の現行の税制度から、新たな税形態である「累進支出税」への移行が望ましい可能性があることが示唆された。また、累進支出税が理論的に望ましいとしても、それを現実にわが国で適用するためには、税務行政上の問題を克服する必要がある。Okamoto(2004,Springer)では、徴税技術上の問題に対処するための具体的な方策についても検討している。 累進支出税が究極的に効率性・公平性の観点から望ましいとしても、単一の税で全ての税収を賄うことはあまり現実的ではないと思われる。というのも、単一の税だけでは、機能上または徴税技術上の重大な欠点がどうしても生じてしまうからである。このような欠陥を補うために、累進支出税と何らかの税との組み合わせを考慮する必要がある。望ましい税の組み合わせについて検討した結果、累進支出税を基幹税とする場合には、効率性・公平性の観点から、補助的な税として相続税が最も望ましいことが示唆された。
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Research Products
(4 results)