2003 Fiscal Year Annual Research Report
親教育プログラムの開発研究-親の生涯発達の視点から-
Project/Area Number |
15530530
|
Research Institution | Hijiyama University Junior College |
Principal Investigator |
河野 利津子 比治山大学短期大学部, 幼児教育科, 助教授 (90249574)
|
Keywords | 親教育 / 親支援 / 家庭教育学級 / 育児サポーター / 子育て情報誌 / 父親の育児参画 / 子育てアドバイザー / 教育と福祉の連携 |
Research Abstract |
親教育プログラムの分析枠を明らかにするために,今年度は,全国主要都市から6市を無作為に抽出し,市教育委員会および市長部局における親教育や親支援の実態把握を目的とした事例研究を行った。主として行政が主導している教育・支援の実態と課題を中心に聞き取りや資料収集を行ったが,結果から以下のような特色(傾向)が明らかになった。(1)市教委(生涯学習課や社会教育課などを中心に)は学校教育,市長部局(保健福祉部や保健福祉局など)は福祉や母子保健を担当するという従来の縦割り体制から,教育と福祉の連携による親支援・教育の方向が進みつつあること。(2)従来の幼稚園・小学校中心の「家庭教育学級など,行政(教委)主導の教育から,親のニーズや関心に応じて利用できる教室や講座,サークルや仲間作りを目的とする支援,また育児サポーターを育成する事業などへと拡大してきている。必要に応じで情報を得るための保護者向けの情報誌などを行政側も作成している(3)支援対象も乳幼児を中心とするものから,小中高生にも焦点をおくものも増えてきており,「おやじの会」や「父親子育て講座」など積極的な父親参画を求めたり,地域体験や自然とのふれあいを重視する方向にある。(4)家庭と学校と地域(企業含めて)の連携により豊かな人間性をもった子どもを育てていくという視点から,家庭教育総合推進プロジェクトを企画する,地域の人的資源を活用したサポートチームを結成する,子育てアドバイザーを養成研修するなど新しい取り組みも見られる。
|