2004 Fiscal Year Annual Research Report
親教育プログラムの開発研究-親の生涯発達の視点から-
Project/Area Number |
15530530
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Research Institution | Hijiyama University Junior College |
Principal Investigator |
河野 利津子 比治山大学短期大学部, 助教授 (90249574)
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Keywords | 親教育 / 親支援 / 子育て支援 / 家庭教育学級 / 教育委員会 / 地域の教育力 / ボランティア / 子育てアドバイザー |
Research Abstract |
親教育プログラムの開発のために、今年度は、子育て支援を国(教育省)レベルで積極的に推進しているニュージーランドの親教育プログラムの実態を調査すること、およびわが国における親教育・支援の現状把握のために、全国の702市の教育委員会と725の市長部局への質問紙調査を実施することとした。ニュージーランドでは、1996年に完成したテ・ファリキという共通の幼児教育カリキュラムを中核としてさまざまな保育実践が見られたが、親教育は主として「プレイセンター」など親主体の運営管理による施設において、乳幼児期の発達や遊びについて系統的に学習する統一的なプログラムを作成し、専門職に準ずる指導者の養成を行っている実態がわかった。子育て支援に関する全国調査については、前回(平成12年)の中四国・九州地域に実施した教育委員会への親教育調査を発展させた形で、今回は子育て支援担当課への調査を加えて、両者の連携など市全体としての親教育・親支援の取り組みの実態を把握することをねらいとした。 その結果、地方自治体により親教育・支援の取り組みは非常に多様であった。市長部局と教育委員会の連携は進みつつあるが未だ十分ではなく縦割り行政の根深さがうかがえること、また親教育の対象については管轄により役割分担がみられるケースが多く.従来からの乳幼児期および児童期や思春期の子どもを持つ親の啓発や指導・教育に加えて、親子による活動や自然体験、あるいは有為な人的資源の活用を積極的に推進すること、また地域の人材活用による地域の教育力向上を目指しボランティアや子育てアドバイザーなど人材育成の視点も重視されてきていること等がわかった。
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