2003 Fiscal Year Annual Research Report
代数群とKac-Moody群の研究、およびその応用
Project/Area Number |
15540005
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森田 純 筑波大学, 数学系, 教授 (20166416)
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Keywords | 代数群 / Kac-Moody群 / タイル張り / フィボナッチ数列 |
Research Abstract |
平成15年度の研究では、代数群の強ガウス分解の研究、拡大アフィンKac-Moody群の研究、非周期数列の研究、およびこれらに付随する各種リー代数の研究を行った。代数群のガウス分解の研究では、オア予想とトンプソン予想の成立が、無限次元群にまで、いかに拡張しうるかということを、強ガウス分解との関連で研究した。拡大アフィンKac-Moody群の研究では、nullity2の完備アフィンKac-Moody群の典型的な場合を扱い、Bruhat分解の存在を示し、群表示を決定し、普遍中心拡大を構成し、K2およびK1の計算を行った。これらは、今までにない全く新しい研究成果である。これは、近々に国際学術雑誌に発表予定である。また、体ではない局所環上のKac-Moody群の構造を分析し、その群表示と普遍中心拡大を、最も小さな無限次元Kac-Moody群の場合に解明することに成功した。これも発表予定である。非周期数列では、特にフィボナッチ数列に関して、隠れて内在する周期性に着目し、代数的な考察を加え、特に偶数番目と奇数番目のフィボナッチ数の性質の違いを、全く新しい角度から明確に与えた。これも、発表予定である。さらに、1次元タイル張りの局所識別不能性に関して、完全に代数的に特徴づけることに成功した。これは既に発表済みである。ここでは、純代数学的な視点からタイル張りを見直して、代数構造の中に局所織別不能性をコントロールするメカニズムを発見し、それを全て代数的に解明する仕組みを開発した。これは、世界的にも非常に高く評価されている。
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