2003 Fiscal Year Annual Research Report
コレステロールを側鎖結合した両親媒性高分子電解質と界面活性剤の相互作用
Project/Area Number |
15550112
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
森島 洋太郎 福井工業大学, 工学部, 教授 (70028249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遊佐 真一 姫路工業大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00301432)
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Keywords | 両親媒性高分子電解質 / コレステリル基 / 胆汁酸 / 会合 / 疎水性相互作用 / 中性界面活性剤 / ミセル / 蛍光 |
Research Abstract |
本申請研究では胆汁酸を有効にトラップする機能を有する水溶性ポリマーの分子設計指針を立することを目的とする。この目的のために、臨界ミセル濃度以下の希薄な状態での胆汁酸とポリマーの相互作用を調べることが可能な蛍光法の利用を試みた。まず、ナフチル基で修飾したコレステロールを含むメタクリルアミド型のモノマーを合成した。次に、このモノマーとスルホネートイオンを側鎖結合したモノマーをランダム共重合することで、ナフチル基でラベルしたコレステリル基を疎水基として含む両親媒性高分子電解質を合成した。 胆汁酸とコレステリル基を含む両親媒性高分子電解質との相互作用を調べる前に、構造の単純なノニオン性の界面活性剤であるヘキサエチレングリコールモノ-n-ドデシルエーテル(C_<12>E_6)とポリマーの相互作用についてポリマーにラベルしたナフチル基の蛍光情報から調べた。界面活性剤を添加していない時ナフチル基のエキシマ発光が強く観測された。これは疎水性相互作用によりコレステリル基間で会合が起きているためだと考えられる。また、光散乱や粘度測定からコレステリル基の会合によりフラワーミセルを形成していることを確かめた。このフラワーミセルの水溶液にC_<12>E_6を添加すると、ナフチル基のエキシマ発光の強度は減少した。これはポリマー間でのコレステリル基の会合が解離したことを示す。この結果はC_<12>E_6を添加したことにより、コレステリル基間の会合からコレステリル基とC_<12>E_6の会合へ変化することを示唆している。したがって、ポリマーの会合体はC_<12>E_6を効果的にトラップできたと考えられる。また、ナフチノ基の蛍光異方性の測定結果からもC_<12>E_6とポリマー側鎖のコレステリル基が相互作用していることが確認できた。 平成16年度は今回合成したナフチル基をラベルした両親媒性高分子電解質と胆汁酸との相互作用について調べる。
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