2004 Fiscal Year Annual Research Report
飽和溶融帯移動法による均一組成SiGeバルク結晶成長
Project/Area Number |
15560015
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Research Institution | Japan Aerospace and Exploration Agency |
Principal Investigator |
足立 聡 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・ISS科学プロジェクト室, 副主任研究員 (80358746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 恭一 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・ISS科学プロジェクト室, 主任研究員 (10358749)
依田 眞一 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙環境利用科学研究系, 教授 (00344276)
吉崎 泉 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・ISS科学プロジェクト室, 副主任研究員 (10371139)
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Keywords | 飽和溶融帯移動法 / SiGe / 拡散係数推定 / 温度勾配推定 / 数値シミュレーション / 均一組成 |
Research Abstract |
本研究では、本研究の目的は、飽和溶融帯移動法[1](以下、TLZ法と略記)をSi_<1-x>Ge_<x>に適用することにより、 1.TLZ法がIII-V族だけでなくIV-IV族にも適用可能な普遍的な均一組成結晶成長法であることを明らかにすること 2.高性能半導体材料として近年注目を集めているIV-IV族のSiGeの均一組成バルク単結晶を得ること である。均一組成結晶を得るためには、一次元TLZ法理論モデルを用いて適切な試料移動速度を決定する必要がある。これを行うためには、拡散係数を知る必要がある。そこで、一次元数値シミュレーション結果と実験結果を比較することにより、拡散係数を推定し、9.5×10^<-5>cm^2/sを得た。この値と成長界面における温度勾配を理論モデルに代入することにより、試料移動速度として、0.234mm/hrを得た。実験装置の設定精度を考慮し、この移動速度に近い0.24mm/hrで試料を移動させたところ、均一組成のSiGeバルク単結晶を得ることに成功した。試料直径は対流を抑制するために2mmとした。得られた均一組成単結晶の長さは13mm以上である。組成均一性は極めて優れており、Si_<0.503>Ge_<0.497>を平均組成とし、組成のバラつきは±0.006以内である。これを格子定数のバラつきに換算すると、±0.025%以内となり、無視できるほど小さなバラつきであることが分かった。 これらの実験結果がTLZ法によりもたらされたものであるかを検討するために一次元シミュレーションを行った。その結果、シミュレーションは実験結果を良く説明でき、結晶成長はTLZモードで進行したと結論付けられる。また、組成のバラつきは実験結果から判断したよりも大きいが、格子定数のバラつきは±0.05%以内と依然として無視できるほど小さいことが分かった。以上のことから、TLZ法はIII-V族以外にIV-IV族にも適用可能な普遍的な結晶成長法であることが分かった。 [1]K.Kinoshita et al., J.Cryst.Growth,225(2001)59.
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Research Products
(2 results)