2004 Fiscal Year Annual Research Report
電子ビーム励起プラズマによる超硬質薄膜創製法の開発
Project/Area Number |
15560106
|
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
PETROS Abraha 名城大学, 理工学部, 助教授 (60308939)
|
Keywords | 電子ビーム / プラズマ / ほう素ターゲット / 加速電圧 / 基盤バイアス / スパッタリング / 超硬質薄膜 / BN薄膜 |
Research Abstract |
一般的なスパッタリング装置として、ECRプラズマスパッタリング、RFプラズマスッパッタリング、マグネトロンプラズマスパッタリングなどが挙げられるが、これらのプラズマ生成法の問題点として、装置の規模が大きいことや高エネルギーが必要であることなどが挙げられる。また、窒素分子の解離率について、圧力20mTorr以下の場合が2%程度であることに対して、電子ビーム励起プラズマは、装置サイズがコンパクトで窒素分子の解離率が16%と高く、低エネルギーでプラズマを生成することができる。 実験はスパッタリング用にArガス、原料ガスにN_2を用い、BをターゲットとしてSi基板上にBN薄膜を生成した。またスパッタリング効率を向上させるためにターゲットをRFバイアスした。プラズマパラメータであるArおよびN_2ガス流量、放電電流、加速電圧とRFバイアスパラメータであるRFバイアス電圧をそれぞれ設定し、ターゲット基板間距離を変化させて、それぞれ120分成膜を行った。 基板に堆積する膜厚分布を予測し電子ビーム励起プラズマによる最大の成膜速度は約10nm/minであることを確認した。生成した膜の構成元素をAESによって分析したところ、BとNの含有比率はほぼ1:1であった。また、FTIRによる結合状態の分析の結果、780cm^<-1>および1370cm^<-1>にsp_2結合のh-BNによるピークを確認した。生成した膜の機械的特性を調べたところ、ターゲット基板間距離が50mmにおいて10.3GPaであり、同様に摩耗量は0.013mm^3であった。表面粗さRaは4.5nm、摩擦係数は0.085であった。
|
Research Products
(1 results)