2003 Fiscal Year Annual Research Report
患者に負担をかけず場所の制約を受けない下肢関節モーメント・筋活動状態の推定法
Project/Area Number |
15560211
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
井上 喜雄 高知工科大学, 工学部, 教授 (50299369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷岡 哲也 徳島大学, 医学部, 助教授 (90319997)
王 碩玉 高知工科大学, 工学部, 教授 (90250951)
甲斐 義弘 東海大学, 工学部, 講師 (00320119)
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Keywords | 推定 / 足底圧 / 重回帰分析 / 関節モーメント / 床反力 / 圧力センサ / ウエアラブル / 下肢 |
Research Abstract |
リハビリテーションの現場において,筋活動状況や関節モーメントを定量的に把握することができれば,それらは、リハビリの指導を行う上で非常に貴重な情報となる。関節モーメントを得る方法としては、複数台のカメラと床反力計を組み合わせる方法などが広く用いているが、高価であること、据え置き型であること、場所の制約を受けることなどの理由により、一部の研究機関や大病院で研究用に使用されているのが現状である。 そこで、本研究では、(1)患者に負担をかけない、(2)場所の制約がない、(3)コンパクト,(4)安価,であり、医療の現場でも簡単に使用可能な計測方法を開発することを目指し、今年度は以下のことを実施した。 据え置き型ではなく患者が身につける履物に片側6個の圧力センサを組み込み、その出力を信号処理することにより、床反力ならびに足関節モーメントを推定するシステムを試作し、アルゴリズムの開発を行うとともに、従来法による計測結果との比較検討を行った。推定方法としては、2段階に別れ、第一ステップでは、重回帰分析と用いて信号処理に用いるパラメータの同定を行い、第二ステップでは、同定したパラメータと圧力センサ出力を用いて歩行時などの鉛直床反力および足関節モーメントの推定を行った。その結果、センサ数が多いほど良好な精度が得られたが、センサ数が4個以上であれば、実用上問題にならない程度の精度が得られることがわかった。また、1組のセンサ内蔵の履物で足長の異なる複数の被験者に対応できるかどうかの検討を行った結果、鉛直床反力に関しては、足長が変化しても、被験者ごとにパラメータの推定を行えば、十分な精度が得られることを確認した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kai, Y., Tanioka, T., Inoue, Y., Matsuda, T., Sugawara, K., Takasaka, Y., Nagamine, I.: "A Walking support/evaluation machine for patients with parkinsonism"Journal of Medical Investigation. 51-1,2. 117-124 (2004)
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[Publications] Tanioka, T., Kai, Y., Inoue, Y., Matsuda, T., Sugawara, K., Takasaka, Y., et al.: "Real-time measurement of frozen gait in patient with parkinsonism using a sensor-controlled walker"Journal of Medical Investigation. 51-1,2. 108-116 (2004)
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[Publications] 井上喜雄, 松田拓也, 芝田京子, 甲斐義弘: "足底圧を用いた足関節モーメントの推定"第24回バイオメカニズム学術講演会論文集. 93-96 (2003)
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[Publications] 井上喜雄, 松田拓也, 芝田京子, 山崎陽平, 甲斐義弘: "足底圧センサを用いた鉛直床反力と関節モーメントの推定"日本機械学会ジョイントシンポジウム講演論文集. 03-12. 57-61 (2003)
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[Publications] 松田拓也, 井上喜雄, 小原謙一, 甲斐義弘: "足長の違いにおける足底計測装置の有用性"日本機械学会第3回福祉工学シンポジウム講演論文集. 03-28. 105-108 (2003)