2004 Fiscal Year Annual Research Report
越波飛散現象のモデル化とこれを用いた海岸道路の安全管理に関する研究
Project/Area Number |
15560438
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
木村 克俊 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (70322873)
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Keywords | 海岸道路 / 越波飛沫 / 通行障害 / 水理模型実験 / 現地観測 |
Research Abstract |
海岸道路の越波対策用防波フェンスの必要高さと作用波力に関する検討を行った。まず、通常の不透過壁式護岸、消波ブロック式護岸、直積みブロック式護岸の3種類を対象として水理模型実験を行い、越波飛沫の軌跡をモデル化した。現地においては、えりも町の荒磯海岸、戸井町の瀬田来海岸、宗谷港親水護岸において越波飛沫の現地観測を実施し、実験結果の妥当性を確認した。以上の検討の結果、飛沫のトラップ効果の最も高い位置に対して必要高さを設定することが可能となった。また作用波力に関しては、不規則波を用いた波力実験を行い、従来の設計波力公式を準用して波圧分布を提案した。実際の防波フェンスの施工に際しては、波圧強度が大きな部分はコンクリートで補強し、それより上の部分には有孔型フェンスを用いることとした。 海岸道路の安全管理手法の高度化を目的として、波浪予測に基づく道路管理手法を検討した。12時間後の波浪と潮位の予測結果から越波飛洙の打ち上げ高さを推定し、道路に危険が予測された際には、パトロールを強化するとともに、道路利用者に対して防災無線、携帯電話、インターネット等で通行障害情報を配信することとした。現在、同システムは北海道神恵内村大森海岸において試験的に運用されている。 新形式構造である「消波型高基混成式護岸」の現地施工のための検討を行った。水理模型実験およびVOF法を用いた数値計算を行い、スリット型直立部の諸元が反射および越波特性に及ぼす影響を明らかにした。その結果、最適となるマウンド水深と遊水室幅を決定した。さらに、斜め入射条件に対する検討を行い、反射、越波、波力などの水理特性に及ぼす波向きの影響を定量的に示した。
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Research Products
(3 results)