2005 Fiscal Year Annual Research Report
越波飛散現象のモデル化とこれを用いた海岸道路の安全管理に関する研究
Project/Area Number |
15560438
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
木村 克俊 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (70322873)
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Keywords | 海岸道路 / 越波飛沫 / 通行障害 / 水理模型実験 / 現地観測 |
Research Abstract |
護岸周辺の海域がコンブ等の漁場になっている箇所では、漁業者の反対により適切な改良が行なえない場合が多い。こうした条件に適用可能な構造形式として、消波型高基混成式護岸と直積ブロック式護岸を取り上げ、検討を行った。消波型高基混成堤については一般的な設計手法を提案し、それをもとに北海道森港の新川地区の防波護岸に試験施工が行なわれた。直積ブロック式護岸については、国道336号えりも町荒磯海岸の道路護岸に採用された。越波に関する現地観測結果に基づいて、本研究で提案した越波飛沫の算定法の妥当性が検証された。また同護岸の設置後は、高波による通行止めが大幅に減少し、防波性能が極めて高いことが実証された。 急勾配海底から続くリーフ上では、顕著な越波が発生する。2004年台風18号による高波によって、こうした条件下に設置された国道229号の大森大橋が落橋した。応急復旧として設置された仮橋の通行安全性を検討するに際して、本研究で提案した越波飛沫の飛散モデルを適用した。 防波フェンスの耐波設計法について検討するため、同様な波力の作用によって被災した海岸家屋の事例を分析した。検討対象は前述の2004年台風18号により被災した神恵内村赤石地区の海岸家屋で、護岸の設置条件、越波流量、護岸からの距離などをパラメーターとして家屋の被害状況をとりまとめた。さらに、被災時の再現実験を行った結果、護岸から3〜5mの範囲で越波水塊の直撃により衝撃的な波力が発生することが明らかとなった。防波フェンスの設計においても通常の合田式による波力では不十分であり、衝撃力を加味した設計が必要であることが示された。
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Research Products
(6 results)