2004 Fiscal Year Annual Research Report
Ti基ナノ準結晶における水素貯蔵材料としての高性能化
Project/Area Number |
15560577
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
高崎 明人 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (70286699)
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Keywords | 準結晶 / アモルファス / 水素吸蔵合金 / メカニカルアロイング / 粉末治金 |
Research Abstract |
昨年度は,Ti_<45>Zr_<38>Ni_<17>の元素粉末組成を基本としてZrとTiを置換した場合の混合粉末(Ti_<45+x>Zr_<38-x>Ni_<17>)のメカニカルアロイング(MA)過程,その後の熱処理による生成相や得られた粉末の水素吸蔵特性の相違について主に調べた.これらの結果,MA粉末の熱処理後に得られる準結晶粉末(Ti_2Ni結晶を含む)はどの組成の粉末においても約60at%の水素吸蔵が認められ,水素放出温度は粉末中のTi量の増加と共に高くなること等を明らかとしている. 本年度はZrをHfと置換したTi-Hf-Ni系元素粉末のMA過程や得られた粉末の水素吸蔵特性を主に調べた.Ti-Hf-Ni系元素粉末もTi-Zr-Ni系粉末と同様MA後は,直接準結晶は得られず,アモルファス相が得られた.その後,適当な温度による熱処理を行うと正二十面体準結晶相もしくは近似結晶相(Ti_2Ni結晶を含む)が得られることが分かった.また,水素吸蔵後,アモルファス粉末は面心立方晶の水素化物へ相変化したが,準結晶粉末では準結晶相が格子膨張し,水素吸蔵量が約60at%になることが分かった.さらに,アモルファス粉末の水素放出の主なピーク(5K/minの昇温脱離測定)温度は,約750K(昇温速度5K/min)で確認され,また水素放出の活性化エネルギーは約230kJ/molとなった.一方,準結晶粉末の水素放出の主なピーク温度は,730K程度であり,水素放出の活性化エネルギーは約74kJ/molとなり,MA粉末の準結晶相で活性化エネルギーが低くなった.
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Research Products
(6 results)